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山本由紀子プロフィール

着物と日本文化の伝道師、山本由紀子です。

私は江戸時代から続く岐阜の呉服屋の一人娘として生まれました。いつも「側に着物がある」のが当たり前の環境に育ちました。呉服屋は着物を売るだけではなく、儀式や通過儀礼を地域で教える立場にありました。私は着物や日本文化にどっぷり浸かり「門前の小僧」のように学びながら大きくなりました。

学生時代は京都、西陣で着物問屋を営む親戚の家で過しました。そのおばあさんは「京都の生き字引」と言われていてその全てを私に教えてくれました。茶道、華道、日本舞踊、お習字を習わせ、家へ帰るとおばあさんのお稽古が続きました。一流の料亭や歌舞伎、花街へも連れて行ってお付き合いの方法も身に付けさせました。
しきたりや作法も型ではなく何故そうするのかという意味や 相手の立場に立って判断する視点を教えてくれました。私はそのことで生涯を通して「言われなくても相手の方がして欲しいことをする」というやり方が身につきました。

山本呉服店へ帰った私は一軒一軒お客様のお家を訪問する営業を始めました。お客様の立場に立って人間関係を深め、真にお客様のためになることだけを優先した結果、「あなたなら任せられる」「あなたから買いたい」と着物を買ってくださいました。「着物を買ってください」とは一言ったことはありませんが、30代で業界でステータスの一億円セーラーとなりました。お客様から支持される仕事は私がして差し上げるだけでなく、お客様からも素晴らしい知恵を頂く日々でした。

4代目社長となってからは手作りの新聞を発行しました。お店の様子やスタッフの日々、着物の知識やイベントのお知らせなど、お客様が自分の空いた時間に自由に読んでいただけるようにしました。それを機に店頭にお客様が来てくださるようになりました。同時に残業なし、休みはしっかり取る「働き方改革」ができたのです。

呉服業界はこの20年で市場規模は7分の1に縮小しました。しかしお客様との信頼関係に基づく商いにより当店の売上げは変わりません。その手法は「売らずして、売る」と新聞や経営誌に取り上げられ、業界では「奇跡の呉服屋」「理想の呉服屋」と呼ばれるようになりました。

一昨年、社長を交代し京都へ来ました。今まで私が経験してきた着物のプロとしての知識や技術・日本文化の素晴らしさを広くお伝えしたいと思いました。山兵さろんでは着物のお見立てやご相談、着付け教室だけでなく、その背景となる日本文化を紹介すべく「経営に生かすセミナー」「子育てに生かすセミナー」を始めました。