「桂離宮」最高のおもてなし☆侘び寂びの世界1

京都さんぽ

「侘び寂びがもっとも感じられる最高の季節に ようこそ、桂離宮へ」

 

意表を突かれる一言にハッとしたのを未だに覚えています。2月は草木は枯れ、雪さえもなく、ただ深々と底冷えだけの季節でした。

 

宮内庁管理の庭園の中で人気が高い桂離宮は最も予約が取りにくいので、一番閑散期の2月を選んで申し込みました。集合時間より少し早めに来ただけでも待っている間、かなり後悔していました。

 

桂離宮を案内してくださった宮内庁の方の一言に思わず笑顔になりました。

 

美しい花は咲いていません、紅葉は落ちて、緑の芝生は茶色に枯れ、美しい色など何もありません。在るのは寂れた景色だけでした。

写真はyahooさんからお借りしましたが、この時は芝生も真っ茶色でした。わずかに松だけが緑で隆々とした生命力を感じられました。昔の人が「松の翠」と目出た気持ちがわかりました。

 

ところで「侘び(わび)」とはなんでしょう?

大徳寺の高僧、立花大亀老師は「侘び」とは「お詫び」のことだと言われます。

 

一つには、おもてなしが自分にできる精一杯で、まだまだ足りないのが申し訳ない気持ち、もう一つが自然の犠牲を強いている人間はその犠牲を最小限にとどめる工夫をすることがせめてものお詫びの形なのだという意味です。

 

「花も葉っぱもないからこそ、お庭そのものの意図した構図、木の幹の枝ぶり美しさが一番見えます。これが日本人が愛した侘び寂びの世界です」

 

 

「なるほどーー!」とため息が出るくらい納得してしまいました。そのように見方を逆にすることによって、こんなにも迎えた人を喜ばせられるのかと感嘆しました。残念な思いに苛まれている私たちには最高のおもてなしでした。それから見て回った桂離宮はどんな季節よりも素晴らしい思い出が残っています。

 

もちろん、2月に来て良かったと寒さも忘れていました。そして今も2月になると桂離宮の詫びの世界を思い出すのです。

つづく

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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