霰が降った!「龍安寺」の石庭☆侘び寂びの世界2

京都さんぽ

まさに「侘び」の世界に浸ったのは、昨年の3月初めのことでした。

心友の西さん親子が京都へ来てくださった時でした。息子さんが「龍安寺の石庭に金閣寺、大徳寺の大仙院へいきたい」とのこと。

その渋い趣味にびっくり!

でも桂離宮の話が強烈に頭に残っていたので、「侘び寂び」の世界を体験するには「今だ!」と思いました。

桂離宮の「侘び」の世界のお話はこちらです。

「桂離宮」最高のおもてなし☆侘び寂びの世界1

 

龍安寺は二十年くらい行ってなかったかもしれません。駐車場から歩いていくと途中からみぞれが降りだしました。慌てて本坊へ駆け込むとバラバラっと一気に霰が降りだし、灰色の濃淡の庭が見る間に白くなっていきました。

その様は

「これから寂びの世界をお見せします。お集まりください」

ポチッ、

と劇場で座ったらスイッチが入ったような映像でした。

 

しばし、ぼーーっと、言葉もなく見ていました。

枯れた渋い趣き、まさに「寂び」の世界に浸っていました。

すぐに、霰は止みました。

目の前で繰り広げられた刹那のエンターテイメントでした。

 

「吾、唯、足るを知る」なん中の「口」を共有して読む、有名なつくばいです。霰が雨に変わって、濡れた青竹も苔も生き生きしていました。

 

霰が通り過ぎた後の帰り道、存在感を持って目に飛び込んできたのは苔の緑の美しさでした。

こんもりと石を包み込んでいる苔は見事としか言いようがなく、触ってみると厚みが感じられて弾力があります。

「君が代」の歌詞を思い出しました。

♪ ・・・さざれ石の いわおとなりなりて 苔のむすまで ♪

「小石が成長して巨岩となり」という民間信仰から発し、古今和歌集にも「読み人知らず」として収められています。

「神さびたその側面に苔が生えるまで」長寿を祝った句です。

苔は外からくっついて生えるものではなく、石の内部から生えて出るものだと考えられていました。

内部から「錆びる」が現れたのが「「寂び」だと言われています。

 

 

一面、モノトーンの世界に唯一、緑鮮やかに生命力をみなぎらせる苔に心を惹かれた古人の気持ちになっていました。

龍安寺の本坊の入り口には石庭の壁の後ろに満開の桜が咲いた写真が何枚も飾られていました。

「今日が最高だった!」

何もないこの季節こそ、石庭らしさが最も感じられるのではないでしょうか。

 

「らしさ」を大切にする!

 

そんなことを教えられた気もします。

「寂び」を体感したあの様は、一生忘れえぬ記憶として残っています。

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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