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着物の値段はどうして高いのでしょう☆その2着物を作る「技術」について

着物

「着物って究極は美術品と境目がないのかも」と時々思います。

着物は絹の糸や布をどう染めるかですし、絵はキャンバスという絹地の題材に描きます。形は違っても職人さんか画家の先生かでその道を極めた方が精魂込めて作り上げる点では同じなんだと思います。

2点の「染め」を比べてみてください。

 

 

どちらも山本呉服店が良いと思って仕入れたのですから良いもので良い柄だと思っています^^

色柄の好き嫌いは別にして絵としてみた場合、どちらが熟練しした職人さんが染めているのでしょう、どちらが染めるのに手間が必要でしょう?

 

では裏を比べてみましょう。

 

裏と表はほとんど変わりません。しっかり染めてある証しです。

 

どうですか?

2番目の方は裏までしっかり染まっているのに対して最初の方は表だけは染まっていていていわゆるプリントしてある感じです。

絵でも1号(ハガキの大きさ)で何千円から何百万とランクがあるように着物の職人さんの熟練度やその着物に対する手間のかけ方によって値段は大きく変わります。写真の2点でも山本呉服店の値段で倍以上の違いです。

 

とってもお似合いです。蝶は絞り染めで表現してあります。着装してみると着物に仕上がった感覚がわかり、イメージしやすいですね。

 

大分前のことですが、こんなことがありました。

お客さまに着物を着装(反物を巻きつけて着物を着ている感じ)にして着姿を見ていただいていました。帯も合わせ、半襟、帯揚げ帯締めも全部とても気に入っていただけてこのまま全部ほしいと言われました。ただ予算がかなりオーバー・・でも妥協できなくて、

「せめてこの帯締めがもう少し安くならないかしら。こんなに凝った組み方でなくてシンプルでいいからこの色で探してよ」と。

ちょうどその時、帯締めのメーカーさんの親方がいらっしゃっていたので「この色でもう少し安いのはないですか?」と聞きました。そしたら、恐ろしい顔でにらみ返されて

「職人は安モンには安モンの色しか付けん!!!」

 

 

要するに何度も何度も色を調整して深みのある色を出すのも職人さんの腕なのです。組み方だけでなく良いものを作ろうとしたら全部に拘ります。簡単に作るものは色も原色でそのまま、組み方も手間をかけずにシンプルに。良いものは良い、中間はないんです。

 

それは帯締めだけの話ではなく、着物も帯も、半襟など小物さえ同じなのだとあの時以来、肝に銘じました。それが職人の腕であり、誇りなのです。

熟練した職人さんが精魂込めて作られたものには人を惹きつける「力」があります。

「どことなく違う」と感じるのはそういったことなんですね。

着物は頻繁に着るものではないかもしれませんが、その一回がとても大切な日であったり深く思い出に残る出来事であったりします。「着る頻度」で比べるべき事ではないと思います。

 

自分だけのもの、自分がいいなぁと思うもの、これを着たら絶対自分が綺麗になれるものを手に入れて長く大切にしていくって素敵ですよね。

 

着物を作る職人さんは高齢化の一途をたどっていて技術を持った方もどんどんやめていかれます。

数量としても激減していますが技術もなくなっています。

年金をもらいながら長年やってきたことだからと健康のために安い手間賃でも作っていただいている現実があります。そんな技術が心ある若い方に引き継がれていくことを願っています。

 

もちろん着物は絵と違って見に纏うものですので、その方が綺麗に見えるものが最高です!ご予算もあるでしょう。

こういった原則を踏まえた上でプロとして貴方さまにとって最良のものをご提案させていただきます。

 

今なら京都店で

写真の着物も着てみられます。

 

「着物体験」をしてみませんか。

 

1 お茶をしながら雑談

着物ってその方の雰囲気で着るものです。どのような方で生活の中でどのようなシーン(場面)で活用できそうかお話しして伺います。

2 実際にお似合いになりそうなものをご提案します。

3 お好みと合えば試着していただきます。(反物のまま着物を着たスタイルに仕上げます)

4 着物の写真を撮ってその場でスマホ等に差し上げます。

着物着装体験と写真撮影して写真プレゼント、サロンでお茶とお菓子付き   1,000

 

「体験プログラムをやってみたい」と思われる方は京都さろんへ来れそうな日を第一、第二希望をメッセージに書いてお申込みフォームを送信してくださいね。

 

山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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