会席料理、めでたく「松竹梅」
お正月には立派な門松が建てられますが、それを構成しているのが「松竹梅」
留袖や訪問着など儀式に違うお祝いの儀式に着る着物にはレギュラーでめでたい柄として伝統的に使われてきました。
松は岩場など厳しい環境でも育ち、年中青い葉を茂らせる生命力に溢れています。
神様が地上に降りてきた時に休む場所「神を待つ」に由来し、神聖な物としてほとんどの神社に植えられています。
樹齢も200年から450年程と長いので、長寿の象徴とされてきました。
竹は冬でも緑色を保ち、雪にも折れること無いので、無事を表します。芽吹いたら(タケノコ)成長が早く、子孫をたくさん残すことから子孫繁栄、
梅は厳しい冬の寒さにも打ち勝ち、雪の中でも真っ先に花を咲かす、そんなことを目出て愛されてきました。
なぜ松が最初で、竹、梅なのでしょう?
私は木の高さか、語呂の良さだとずっと思っていました(違ってました!)
縁起物となった順番なのだそうです。
始まりは、平安時代の宮廷儀礼である「小松引き」
正月最初の子の日に野に出て、若い松の木を引き抜いてくる貴族の遊びでした。これが長寿祈願として門松となったと言われています。
京都のお家の玄関の両側に根っこが付いた松が奉書紙に包んで水引などで結んで飾ってあるのもこの由来でしょう。
ところで、
うなぎやお寿司、会席料理のお品書きに「松・竹・梅」 松がいちばん 高級だとか?
「松竹梅」は格付けにもよく用いられています。
ある時、
友人の会席料理屋さんで叱られました。
彼は全国から食通が通う店で「あなたたちに評価される覚えはない」とミシュランの調査員に写真を撮らせなかった人です。
「梅」ばかり注文する私に彼は
「日本人だったら竹を注文するもんや。梅は初めての人のお試し用やから、常連が梅ばかりを注文するのは非常識だ」
彼が怒ったのはある意味当然です。
良い料理屋さんでは高級食材を使い、出汁も良い昆布や鰹を使い全く違います。包丁の切れ味も違うし、そもそも料理の技術が違います。設えも違います。高級店はお店の格があるので、プライドにかけて質が悪いものは出さないわけです。
彼にしてみたら たまったものじゃない!
リピーターになってもらいたい為に利益を削って提供しているものを私は毎回、堂々と食べていたのです。
余談ですが、
「梅」でも十分に利益をとっているお店も多いので一概には言えません。
安い料理屋さんで奮発して高い料理を注文しても、食材は最高級のものを仕入れられないし、出汁も技術も安いレベルのままです。高い分、量が増えるだけだと私は思っています。
はっきり言ってくれた彼とは、今も良いお付き合いが続いています。
もちろん、今は竹を注文しています(笑)
松竹梅はちょっとしたところで今も暮らしに生きているんですね。
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