黄変した着物の襟はどうすればいい?☆着物の襟は二重にかけてあります。

きもの相談

着付け教室に来てくださっている方がお稽古に夏の絽の付け下げを持っていらっしゃいました。

 

着始めたら襟が汚れていました。

3回ほど結婚式に着られたのだそうですが、着た後そのまま閉まってしまったそうです。

 

黄変したのは汗汚れです。

汗はその場では見えませんが、生地を酸化させます。

 

 

着物は基本的には着るたびに洗ったりクリーニングする必要はないのですが、

 

汚れた覚えがあるときはそこをきれいにしてからしまうこと、

よく干してからしまうことが大切です。

 

 

また、お酒の汚れはいったん消えてしまうので、要注意です。

汚れていなかったと安心していると後からカビが生えます。

 

 

汚れはきれいにしたいものですが、

時間が長く経過した汚れはなかなか落ちません。

 

 

では、もうどうしようもないのでしょうか?

 

ところで、襟は2重になっているのをご存知でしょうか?

 

 

「地襟」という襟の一部にさらに「掛け襟」がかけてあります。

 

着物の襟は二重にかけてあります。下にかかっているのが「地襟」上にかけてあるのが「掛け襟」です。横縞に見えるのが夏用の生地「絽」の特徴で、その部分が透けています。

 

 

襟はいちばん汚れやすい部分です。

 

掛け襟だけを洗って付け替えることができるのです。

 

 

洗って汚れが残ったとしても、下前になる方へ付け替えれば見えなくなるのです。

 

 

最近、一度に襟を縫い込んでしまってある着物も見かけます。

 

確かに掛け襟を掛け替える方は少ないかもしれませんが、昔からの意味を無視したことになります。

 

また掛け襟がないと、胸元がのっぺりした印象になってしまいます。

上から別に縫うことで、ほんの少しばかりではありますが、さらに立体感が出ます。

 

掛け襟は機能性だけではなく、デザインとしても優れたものなのです。

 

 

そう言った意味を大切にしたいものですね。当店では仕立て屋さんに絶対手間を省かないように固く固くお願いしています。

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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