人形浄瑠璃が好きじゃなかったのは?☆「品格の教科書」の背景
「文楽はどんな演目がが好きですか?」
30日「品格の教科書」を出版してすぐに講演会「出版おめでトーク」を開催してくださいました。
その中で、記者さんから質問がありました。
所属するEMSエッセンシャルマネージメントスクール(本質構造学を学ぶ社会人大学院)の修了生の会員で出版や賞を受賞された方をゲストに、対談するイベントです。EMS以外の方にも配信されました。
「品格の教科書」の中で文楽に触れた箇所がありました。
「仕事で存在感を出したければ、無色透明になりなさい」4章、P149 です。
私はあまり文楽を見ていないのですが、見るなら代表的なものをと思い近松門左衛門の「曽根崎心中」にしました。
実は、私は昔から「心中」が大嫌いなので、体験として半ばしぶしぶ見に行ったのです。
3人で一体の人形を扱い、見事に息が合っていました。
人形の躍動感、息遣いに感動しました。
学生時代を過ごした京都のおばあさんは踊りや歌舞伎もよく見に連れて行ってくれました。
歌舞伎と文楽は演目が同じものも多いのですが、おばあさんは心中が大好きでした。
歌舞伎でも心中ものを見に行こうとよく誘われました。
「心中は究極の愛の形」とうっとりするような目で話していたのが忘れられません。
「この世で添い遂げられないなら、二人で死のう」
「死ぬほど好きなんて、なんて素敵なんでしょう」
とおばあさんは熱く語っていました。
それを聞くたびに、現実的な私は心の中で
「死んだら愛も何もないわ」
「死ぬ覚悟があるならなんでもできるはず」
とおばあさんの話を冷ややかに聞いていました。
文楽は実際に起こった事件や世相を題材にしたドキュメンタリーが多いのが特徴で、
主に2つのジャンルがあります。
奈良時代から戦国時代を描いた「時代物」社会事情や恋愛を描いた「世話物」です。
曽根崎心中も、実際の心中事件を近松門左衛門が戯曲化して上演して大人気を得たと言われています。
「ゆっこさん、文楽見に行かない?」大阪の友人が誘ってくださいました。
「ねえ、なんで淡路島で発祥の人形浄瑠璃が大阪でこんなに発達したの?」
かねてより疑問に思っていたことを物知りの彼女に聞いてみました。
「近松門左衛門が数々の戯曲を書いて大ヒットさせたりしたから、あちこちに人形浄瑠璃の小屋ができたからよ。
今でもミナミには人形浄瑠璃の小屋が多いわよ」
なるほどそういうことだったのかと納得しました。
京都では府立芸術会館でたまに演じられるくらいです。人形浄瑠璃はやはり大阪が本場なのはそういうことだったのです。
「心中が嫌い」=「文楽は暗い」=「文楽が好きじゃない」と思っていたのですが、
誘ってもらったのは「蘆屋道満大内鏡(あしやどうまんおおうちかがみ)」
華やかな狐の早変わりとお習字のパーフォーマンスが人気の演目です。
実はこの演目には懐かしい思い出があります。
続く
「品格の教科書」講演や着物に関するご相談なんでも承ります。
下のフォームに書いて送ってくださいね。
この記事へのコメントはありません。