陰陽師「安倍晴明」の生誕物語「蘆屋道満大内鏡」☆歌舞伎も文楽も面白い
「文楽を見に行きましょう」友達に誘われて、私が惹かれたのは演目でした。
「蘆屋道満大内鏡(あしやどうまんおおうちかがみ)」
[あらすじ]
平安時代、安倍保名は白狐を見かけ助けた。悪人に痛めつけられた保名を介抱したのは婚約者、葛の葉だった。二人は結婚して男の子も生まれ6年も幸せに暮らしていた。そこへ本物の葛の葉姫が現れ、一緒に暮らしていたのは助けた白狐だったと知れてしまった。狐は子供を残し篠田の森へ去って行く。
狐が去る時、襖に和歌を書きます。
「恋しくば 尋ねきてみよいづみなる しのだの森のうらみくずのは」
右手で、左手で、下から搔き上げる、口にくわえて、など見事なパーフォーマンスが見どころです。もちろん、お習字が上手くないと成立しない演目でもあります。
実はこの演目は小学校の時に、地元の揖斐祭りで子供歌舞伎で演じた懐かしいものでした。
揖斐祭りは5月4、5日に行われる三輪神社のお祭りです。
写真は7年くらい前に近所のお子さんが
「葛の葉子別れ 後日段」出演された時の写真です。(ゲジゲジ通信さんより)
高山祭のような大きな山車が5町内にそれぞれあって、5年に一度、子供歌舞伎を上演する当番が回ってきます。
私も小学校5年生の時、子供歌舞伎に出演しました。
「蘆屋道満大内鏡 葛の葉子別れの段」
小学校の頃はあらすじも背景も知らないまま(知ろうとしなかったまま)
セリフを渡され、振り付けを覚えました。
子供の頃は丸暗記する能力は大人より高いと言われていて、成長するに従ってその能力は鈍るそうです。その代わり謂れやストーリー仕立てにすると記憶しやすいと言われています。
やっているうちに、だんだん分かって来ました。
3ヶ月も毎日どっぷり浸かっていれば、他の役のセリフや振り付けも覚えてしまいます。
近くの同級生が狐の葛の葉を演じました。
彼女は元々お習字が上手くて、
お稽古場の隣のお習字の先生のところでずっとお習字の練習をしていました。
出番になると窓から大きな声で呼んで振り付けを合わせたのも懐かしい思い出です。
後から知ったのですが、白狐が生んだこの子供こそ、
有名な陰陽師「安倍晴明」です。
陰陽師として活躍した京都だけでなく、
生まれた大阪のミナミにも清明神社があるそうです。
どこまでが現実で、どこからが物語か、判らないところが伝説めいて惹かれます。
「安倍清明」「安倍保名」は阿倍野、大阪です。
文楽が道行(心中)物とセットだった私の勝手なイメージが一挙に払拭されました。
歌舞伎もいいけど、
人形を操って人間の感情の機微を伝える文楽も見応えがあります。
ユネスコの世界遺産にも登録されていますね。
歌舞伎で「子別れの段」は何度も見ていますが、
人形も書くのでしょうか?
人間が書くのでさえ難しいのですから
人形を操って書けるのかなあ?
余計に興味が湧いてきました。
さあーて、久しぶりに本場、大阪へ文楽を見に行きましょうか~。
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