お祖母さまの大島紬を着たい☆着物はお仕立て直しでサイズが変えられます。

きものや日記

「祖母の着物なんです。明治時代のものだと思います。この着物を大切に私も着たいのできちんとしていただけませんか」

 

 

めぐみさんが送ってくださった着物はふんわり柔らかくて優しい大島紬。

お祖母さまがよほどお気に入っていつも着ていらっしゃったのでしょう、何度も縫い替えられたのがわかりました。

 

 

めぐみさんに最も快適に着ていただけることを一番に考えました。

1、サイズはできる限りめぐみさんのサイズにする。裄(ゆき) と着丈をできる限り長くする

裄は反物の両サイドにある耳(大島紬には掠りを合わせるために無地の部分があります)いっぱいに縫ってもらいました。

 

裄は袖付の縫い目の中にどれだけゆとりがあるかです。解いてみないとわかりません。

 

2、胴裏はシミがついているので新しいものと取り変える。

胴裏も変えることにしました。

 

3、八掛の色をオシャレに、帯も合わせやすい色に変える。

茶系の八掛だったので悪くはないですが、ノンエイジなモスグリーンをご提案しました。古典だけでなく、モダンな帯も合わせやすいです。

 

全部解いて、パーツごとに分けました。着物は全部繋いで反物に戻して洗いました。

 

洗い張りをしてお仕立て直しました。

「洗い張り」とは、着物を解いて切ってあるところを縫って繋ぎ、元の反物状態にして洗うことです。

 

 

近くの熟練した仕立て屋さんにお願いして縫っていただきました。

 

 

 

その大島紬が晴れてデビュー!

 

 

めぐみさんのフェイスブック投稿より

(略)ゆったりほっこりする時間。
せっかくのハレの日なので、お直し上がりの大島を着る。
夫の祖母の古い着物で裄丈などを直してもらったばかり。着込まれていてとても柔らかい上、サイズもピッタリになって着心地がいい。
帰りの駅の地下道で自撮りチャレンジ。

めぐみさんからメッセージをいただきました。

ゆっこさん、祖母の大島、お直しして初めて着ましたがジャストサイズで裏地や八掛もきれいになってすごく着やすくなりました

たくさん着たいと思います。ありがとうございました。

 

お祖母さまが大切に着てこられた大島紬が息を吹き返して、めぐみさんによって新たに活躍を始める、それに関われたことがとっても嬉しいです。

縫い替えて代々引き継がれるって着物だけの衣服文化!

大切に、そんなお手伝いもさせていただけるのが呉服屋としての誇りです。

 

 

 

品格の教科書」は全国の書店さん、

またはアマゾンで手に入ります。

 

 

山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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