伝統行事が消える日☆ いつの間にかなくなった妊娠5ヶ月の「岩田帯(五月帯)」の習慣
「もう6ヶ月でしょう。岩田帯しないの?」
「あぁ、お腹に巻くの? 先生(お医者さん)しなくていいって」
「えーー!」
先日、京都サロンで着付けさせていただいた方は妊娠6ヶ月の方でした。6ヶ月なのにお腹が目立たないと思ったら、何もされていません。普通の下着!
赤ちゃんが大きくなってくるとお腹の筋肉だけでは支えられないし、何もしないと重みで下がったり大きくなりすぎると言われて、5ヶ月(妊娠期間の半分)になるとお腹の周りに綿の布(晒)をぐるぐる巻いたものでした。
その後、コルセットに変わっていったのは知っていましたが、何もしないとはびっくり!!
お腹が大きい方(妊婦さん)の着付けに関してはこちらをみてください。
妊娠6ヶ月で着物は着られるのでしょうか☆妊婦さんの着付けの3つのコツ
後から当店の若いスタッフさんに聞いてみました。
「今はコルセットもしないよ。妊婦さん用の下着があるから、それでいいらしいよ」
「どおりでこの頃、岩田帯(五月帯とも書く)を買いに来る人が無くなったわ」と母。
昔は(と言っても10年も経っていませんが)岩田帯を持って神社やお寺へお参りして安産を祈願し、布の端に御朱印のようなハンコを押してもらいました。それを戌の日に産婦人科へ持っていって巻き方を教えてもらったものです。犬は多産にもかかわらず、お産が軽いことにあやかって「戌の日」に行った「帯祝い」の行事です。
当店では岩田帯を買ってもらうと包装せずに神社やお寺でご祈祷、ハンコを押してもらった後もう一度店へ寄っていただいて、奉書紙(神社などで儀式に使う白い和紙)でくるんで紅白の水引をかけて「岩田帯」と筆文字で書いてお渡ししていました。
*「こんな事もなくなったのだな〜」「岩田帯だけでなく奉書紙や水引なども消えていったな〜」と忘我録としてブログに残しました。
岩田帯が便利なコルセットに変わるとともにその習慣もだんだん少なくなっていきました。それが妊婦さん用の肌着に取って変わったら、そういった習慣もいつの間にか全くなくなりました。
昔は(今でも)赤ちゃんを産むことは命懸け。
妊娠5ヶ月を節目として家族みんなで安産を願い、妊婦さんを大切に思った行事です。
時代が変わっても何らかの形で残してほしいなと思うのです。
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