奈良、吉野の修験体験2☆奥千本への道

旅行

「こんな坂道がずっと続くのだろうか」いきなりの急坂にたじろぎました。いつもなら車で行けるところまでは車に乗って行きます。車道まで絶対歩かないだろうなと思いながら歩きました。みんなについていくのが精一杯!黙々と歩くしかない、何も考えられませんでした。

 

登山に慣れている人が「ゆっこさん、下ばかり見て歩いていると消耗するよ、先の方を見て歩いた方が疲れないよ」とアドバイスしてくださいました。

首を下に向けてとぼとぼ歩く姿は、今日のことしか考えられない人の姿に重なりました。目指す先を見据えて、あそこへ行くんだという気持ちを持つことだと思いました。

 

一緒に登った人たちは初めて会った人ばかりなのに、先に行っている人は時折後ろを振り返ったりして「大丈夫?」と言っているようでした。無言で登りなさいと言われていましたが、お互いを思いやる気持ちは伝わるものです。本当に有難かったっです。

 

雨で濡れた石畳や岩は滑ります。他ごとを考えていたのでは足先に力を入れていないと転んでしまいます。倒木を乗り越えたり、長い草を踏み分けて道を作ったりして進まねばならないところもありました。

 

 

登り始めの山と奥深い山頂では気温だけでなく、匂いが違います。生えている木も草も違うからこそ、その葉っぱなどが積もった土も違うからでしょう。雨上がりの木から発散されるオゾンやマイナスイオンに溢れた空気は、おもわず深呼吸をしたくなります。

足元に咲く名前も知らない小さな花の可愛らしさ、ススキを揺らす風の気持ち良さ、虫の声に秋を感じました。

キーンという鳴き声が何度も響き渡りました。

「奥山に紅葉踏みわけ鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」百人一首に謳われるあれが鹿の鳴き声だったのでしょうか?

五感がどんどん研ぎ澄まされていくのを感じました。

 

 

 

台風の雲が時おり雨と風を運んできました。お昼を食べている時に土砂降りだった以外はミストシャワーのようでむしろ涼しくて体力も使わず歩けました。

お天気は人間の力ではどうしようもないことです。雨にも風にも、その状況を受け入れて自分の思い方を変えるしかありません。

次の日のように風もほとんどなく晴天だったら途中でへたったかもしれません。そんな風に思えたのも幸せでした。

 

 

11時半頃出発し、帰ってきたのは6時半頃。標高差450メートルの山道を約6キロ、24,000歩

ただただ、歩くことだけを考えていました。

 

いつもなら何かしていても、この後の予定ばかりを考えて心ここに在らずです。一つのことに集中することは滅多にありません。

 

後から思えば、これが「無」の境地だったのですね。

 

つづく

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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