シミがついた着物の裏を利用!絹のハタキ作り☆呉服屋の 大女将の智恵で出来た「はたき」

由紀子の日々

「ハタキって知っていますか?」お掃除に使って埃を取るものです。○急ハンズでも商品分類としては看板があるものの化学雑巾のようなものが置いてあります。おそらく昔からのハタキは絶滅種ではないでしょうか?

竹の節を鉈で滑らかにします。

 

先日、山本呉服店の本店の中庭で母と社長とスタッフの福永さんの三人が竹を切って準備をしていました。

次の定休日、職場体験に来てくださる地元の中学生の子たちと「ハタキ作り」をするんだそうです。この前、池田店で開催の文化祭でもハタキ作りは一番人気ですぐに完売してしまいました。

ところでこのハタキは掃除大好き(本人は好きでやってるわけじゃないと申しますが)で徹底的に綺麗にしないと気が済まない母が長年にわたる掃除人生で考えた呉服屋ならではの拘りの塊なんです。

 

ハタキの材料は竹の棒と古い着物の裏地(絹)です。作り方をお伝えしますね。

 

 

持ち手になる竹の棒を作る

黒竹の細さが一番いいです。手で握るのに太いと疲れますし、細いと力が入りません。母は春に庭にニョキニョキ生えて来る黒竹を剪定して葉っぱを取って節で傷つかないように鉈で節をキレイにします。

竹の節を鉈で滑らかにします。

布をつける向きは竹が生えている向きとは逆向きに使います。布を止め付けるところは節に引っ掛けるので頭から3センチくらいのところに節を使います。

布を取り付けるために節を利用します。ちょうど良いところに節がない場合は3センチくらいのところに輪ゴムを何重かに巻きます。

 

布の準備

古い着物の裏で斑点(シミ)が付いてしまったような絹の生地を用意します。耳の部分に4センチ間隔で切り目をつけます。その両端を持って引っ張って裂きます。

切り目を両端から引っ張って裂きます。

端から端までハサミで切ると断面から糸がほつれることが多いので裂いた方がいいです。こうして布を7枚用意します。残りの布から細い紐も2本作っておきます。

布を竹に止め付ける

 

 

数が多いと重くて腕がだるくなります。少ないとたくさんの回数パタパタとやらなくてはいけません。この加減が意外と難しいのです。

布の幅を半分に折って枚の布を竹の周りに巻いていき、細い紐で節の下で固く固く3回くらい巻いて結びます。ひっくり返して竹の端を隠すようにしてもう一本の紐で固く結びます。

 

 

出来上がり〜〜!

出来上がったらパタパタやって裂けてくる糸を取り除き出来上がり~~!

 

一時は(今も?)ハタキでパタパタしても埃が空中に舞うだけでまた元に戻ってしまうからハタキをかけるなんて無駄だと言われ使われなくなってしまいました。それでも山本呉服店では長年の恒例で毎朝ハタキを掛けています。

ハタキは雑巾で乾拭きする代わりです。とても便利です。

 

私も初めは京都で狭く埃を外へ出すのも庭くらいなので初めは化学用品で撫でていました。でも書院造の建具は細かい桟が多くはかどりません。高いところも器具を変えなくてはいけなかったり中まで埃が取れているかも疑問でした。やはり愛用のハタキに変えました。やっていて気が付いたのですが、ハタキは乾拭きの代わりなんですね。絹は柔らかく建具や塗りの物を痛めない知恵なのです。やはり早くてきれいになりますよ。昔からの知恵は素晴らしいですね!

ハタキを自分で作ってみたい、着物の裏地が欲しいという方は問い合わせフォームにメッセージを入れてくださいね。送料だけでお送りします。

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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