小紋のコーディネート、Iさま☆お似合いの着物を提案する楽しみ
「この笑顔、最高!」
この笑顔が見たくて私は着物の仕事をしてるんだといつも思います。
当店のホームページでもお馴染みのIさんが親子で来てくださいました。お嬢さんはバリバリのリケジョなんですが、いわゆるそのイメージとは全く違って着物にあるしっとり似合う女性です。
早速、着物体験をしていただきました。
柄に見えるのは「杢目(もくめ)絞り」です。普通、絞りというと生地をつまんで糸をぐるぐると巻いて絞るのが普通ですが、これは2、3ミリで運針し、糸をギュッと絞ると生地が細かくジャバラになります。その山折りに濃い色が差してあります。普通には見られない特殊な絞りです。
帯の合わせ方によって、無地着物としても小紋としても着られます。
古典的な色柄の袋帯をすれば結婚式などの出席や正式な儀式に、入学式や卒業式、お茶会にも着ていけます。
一方、おしゃれな名古屋帯などをすればランチや
自分が着たいと思った時いつでも着られます。いつでも着られて一枚あると重宝する着物です。
象形文字に出てくるような鳥の模様がパッキリしたシャレ袋帯(あまり格式張らないおしゃれな袋帯)をしてみました。リバーシブルになっていて、裏は濃茶の市松文様です。
こちらは小紋です。この爽やか感は単の時期でもいいですね。
帯は唐織(からおり)の袋帯です。
唐織とは室町時代に能衣装を作るために開発された織り方です。それまで能衣装は刺繍で表現していました。新しい演目ができるとそのストーリーに合わせた柄をデザインし衣装を製作しました。染技術がまだなかったので、刺繍で凝った柄を作るのはとても時間が必要で、開演に間に合わない時もあったそうです。またシテ(主役)の衣装は豪華だったため、重くて演じきるのがとても大変でした。
そこで織機で刺繍に見える織り方「唐織」が開発されました。
唐織の帯は刺繍かと思う立体感があります。
ちりめんの生地に絞りで椿が表現されています。雄しべの部分は菌加工です。しっとりした感じで可愛いですね。
Iさまのお嬢さんがほんのり微笑まれる笑顔は本当に素敵です!
私はこの笑顔が好きなんだな〜〜!とほのぼの思います。
嬉しそうに着物を着せているらしく、友だちに
「ゆっこさんは本当に楽しそうに着物を着せてるよ」と言われて、初めて気づきました。
自分がそんな顔してるなんて思ったことがなかったのですが、そう言われてみると確かに私はその時幸せ感を感じています。やっぱりこの仕事は天職なのかもしれません。
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