細見美術館へ行ってきました☆「染司よしおか」さんの染め

京都さんぽ

近くまでいつも行っているのに行ったことがなかった「細見美術館

「今年は毎月美術館へ行く」の目標を貫徹するために、他のことに優先させて行ってきました。

 

平安神宮の前にある細見美術館

 

8月のことです。

テーマは

美しき色、いにしへの裂―〈ぎをん齋藤〉と〈染司よしおか〉の挑戦 ―

 

 

 

平安時代の文献を参考に材料や技法を探り、自然界に存在するものだけで染めておられた「染司よしおか」吉岡幸雄さんは2019年に亡くなりました。

 

吉岡さんは初めはジャーナリストを目指されていたのですが、家業の染物屋を継いで地道な実験を繰り返し、失われた古代の染色を次々に復活させました。

東大寺・正倉院の宝物の復元や源氏物語に登場する全368色も化学染料を一切使わず再現されました。

 

是非みてみたいと思いました。

 

自然由来の色は美しい

 

 

「自然の植物から抽出された色には『温かさ』や『命の源』を感じさせる深みがある。」

 

吉岡さんの言葉です。

 

紫根(しこん)

 

ほとんど絶滅した「紫根」 鮮やかな紫色です。

 

紅花は花の周りに棘があるため、花の摘み取りは朝露が降りている早朝に行います。

 

山形県南部が主な生産地です。

江戸時代、名君と言われた「上杉鷹山」が栽培を広めました。

花の色は黄色やオレンジですが、染めた後の焙煎材によって水色、紫、ピンク、、色々な色が染められます。

 

苅安(かりやす)稲科の植物です。

 

八丈島などで古くから栽培されていて「黄八丈」などを染めています。

 

茜(あかね)

 

日本で最も古くから使われた赤系の染料で、日の丸の赤はこの染料で染められています。

 

天皇陛下が儀式に着られる衣装で「麹塵色」です。

 

麹塵(きくじん)は、苅安と紫根で染められた麹黴 こうじかびのようなくすんだ黄緑色

紫根だけでも染めが難しいのに、さらに苅安で染めるには、ゆっくりゆっくり染料と会話するように染めなければ染まりません。

 

 

夾纈(きょうけち)を染めた板

 

 

これは初めて見れて、興味深かったです。

飛鳥・奈良時代に盛んに行なわれた夾纈(きょうけち)に使われた板です。

 

紐などで縛って模様を作る「纐纈(コウケチ)」いわゆる絞り染め、

蠟などを使って模様を作る「蠟纈(ロウケツ)」ろうけつ染めと並んで三纈(さんけち)は最も古い染色法です。

 

 

夾纈染めは板で挟んで染めることから「板締め 」いたじめ です。

模様を彫った2枚の板の間に折り畳んだ布を固く挟んで、模様の部分に孔(あな)をあけて染料を注いで染めます。

 

 

一つ一つがとても興味深いものでしたが、簡単な説明だけでは伝わらないんだろうなと残念に思いました。

私がこうして書いていることでさえ、難しすぎて面倒なのかもしれません。

 

 

それほど積み上げられた日本の染色技術や知識は膨大ものです。

素晴らしい!!

もっともっと本物に触れたいな〜、その奥深さを感じて、ほ〜〜っと息をつきました。

 

 

細見美術館は日本美術のほとんどすべての分野・時代をコレクションしています。

これからも時々は見に行きたいと思いました。

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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