着物は美しいだけにあらず、着る人のあり方をアピールするもの☆山本呉服店がアンティーク着物を扱わない理由

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「私がなんで人の着古したものを着なくちゃいけないのよ。私はそんな安っぽい人間じゃないわよ」

 

京裳苑に来てくださったMさまが言われました。

 

 

なんて、潔くて、かっこいいーー!!

そこまでハッキリ、口に出して言われて思わず苦笑い。

 

 

実は私もずっとそう思っていました。

 

 

お母様やお祖母様、ご親戚の方など知り合いの方からその思い出や物語も含めて着物を引き継がれるのは素晴らしいことです。

それこそ、本来の着物の持つ意味だと思います。

 

 

でも安く手に入るからといってアンティーク着物を纏うのは私は好きではありません。(あくまでも私の個人的な思いです)

中には優れたものもあります。

誰かが捨てたものを拾い上げて循環させることもサステナブルな取り組みだと思います。

着物に憧れる人が手近に着物を楽しめることも良いと思います。

いろいろな考え方があっていいと認めた上で、私は扱わないと決めて今までやってきました。

 

 

一方で、アンティークは「安いから まあ、いいや」

と大切にできない場合も多いのではないかと思います。

 

 

 

真に自分の価値を高めてくれるものに出会って大切に長く使う、

その物と一緒に歳を重ねていく豊かさを大切にしていきたいと思います。

<品格の教科書P154 自分にとって価値あるものと暮らすこと>

 

 

 

技術を磨き、一生懸命作られた職人さんの熱意を感じながら着物をまとうことは心も満たします。

 

胸を張って自分に自信が持てるでしょう。

 

 

「この着物が似合うような人になりたい」

 

それこそが人の品格を高めることになるのだと思います。

 

 

着物は奥深くてどう選んだら良いかわからない方が多いです。

呉服屋として責任を感じます。

 

プロの目で間違いないものを、

その方が真に美しさが引き立つものとの出会いを作ること

が私たちの役目だと思っています。

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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