「針供養」って何?☆物を大切にする心

京都さんぽ

「針が折れちゃった」小さい頃、母に言うと「針山に埋めておきなさい」と言われました。そうして一年貯めておき、お寺へ針供養に持っていったものです。この時期になると仕立て屋さんも「針供養に行ってきました」と時々話されます。今年はコロナの影響でどこも行われていないようです。

 

「針供養」は折れたり曲がったりした針を柔らかい豆腐やこんにゃくに刺して感謝してお針(縫い物)が上達しますようにと願う行事です。

豆腐などのやら柔らかいものに刺すのは、お世話になった針に最後は楽をしてもらおうと言う意味があります。また針をいい加減に捨てたりしたのでは危ないので、まとめてきちんと処理しようとする安全上の理由もありました。

着物の縫製を教えている学校などでは針供養の日は自分で縫った新しい着物を着て針供養に行き、お休みになったそうです。お針子さんにとっては楽しみな日でした。

 

お寺によっても違いますが、「事始め」の12月8日または「事納め」の2月8日に行われます。12月8日は歳神さまをお迎えするお正月行事の初日、旧暦の2月8日は草木が芽吹き、農作業を開始する人にとっての事始めの日です。

 

針供養、人形供養など物を供養する風習は、物はただの人工的な物質ではなく、生き物と同じように魂あるものと考えたことからです。

 

日常生活や仕事でお世話になったものを、不要になったからと言ってポイと捨てるのでなく、役に立ってくれたことに対して感謝し、人間と同じように丁寧に葬るという姿勢です。

 

物にも心があると考えることによってものを大切に扱うことにもなります。

心があると思えば役にたたなくなったからといって、放り投げたりすることもできません。

 

 

私は「紙供養」をしています。

書類をシュレッダーにかける時、書類に対して役立つ役立ってくれたことに感謝しながら「さよなら」を言っています。丁寧に扱うことによってどんな内容の書類であったか、についてもさっとではありますが思いを巡らしています。それは本当に不要なものであるかをダブルチェックする機会にもなっています。また紙の山がすっきりしていくのを見ながらの単純作業はちょっとした気分転換にもなりますしね。

 

今は家庭で針を使うことも少なくなったのではないでしょうか。ボタンが取れたからと服を捨てる人もあるとか。

虚空蔵菩薩が手芸、芸能の守護仏であること、清和天皇が針を納める堂を建てたことに因んで、京都では嵯峨野の虚空蔵法輪寺で行われています。各地でも虚空蔵菩薩をお祀りしているお寺でされていることもあるのではないでしょうか。

 

「針供養」は物や道具の大切さを考えてみる機会を与えてくれる素晴らしい行事ですね。

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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