デジタルは伝統産業の敵なのか?「パソコン」と「フロッピー」と「手仕事」と。
「えー、フロッピーですか?」おもわず聞き返しました。親しくお付き合いしていた織物の会社さんが廃業されることになりました。いろいろな理由はあったのですが、その1つの理由がフロッピーでした。
高度な織物、細い糸を使って緻密な織物を作るのは高機(たかばた)と言う機械を使います。室町時代に開発された織機です。長い間に改良はされていますが、基本的には経糸を削って横糸を織り込んで行きます。その時に縦糸の上げ下げを1本1本指示するのが「紋紙」と言われる段ボール紙です。横糸一本に対して緯糸1本に対してもう1枚です。高度な織物になればなるほど最上の数が増えますこの機屋さんでも紋紙を使っていました。紋紙一枚が縦3センチ、横40センチ余りの丈夫な厚紙を糸でつなぎ合わせ、ロール状に巻いてあります。緻密な織物になればその重さは50~70キロにもなります。柄を変えるにはそれを織機に据え付け直さなければなりません。
「若いうちは良かったけど歳をとったら大変ですわ~。昔は3人で持てたたものが今は4人5人かかっても持ち上げられへん。フロッピーにしてあればこんなことにはならなかったけどね」
そうなんです、フロッピー!びっくりしてしまいました。パソコンどころかフロッピーが最新技術だったのです。
その話をよその織屋さんでしました。
笑い話になると思いきや・・・
「うちもフロッピー使ってますよ。というか、ほとんどフロッピーかなぁ」
何段もの引き出しにずらーーっと並んだフロッピーを見せていただきました。びっくりして声も出ませんでした。
その社長さんはまだ50代で一流の大学の経済学部卒の方です。「この業界ではほとんどパソコンに入力されている会社はほとんどないですね」
ところでそこの機屋さんでは当店で誂えてオリジナルの帯を織っていただいています。
「ここの色を変えてもらえますか?」
「いいですよ、じゃぁ見本を2、3本織ってみますね」
? ? ?
「いえいえ、パソコンで大体の色を決めてからでいいんですけど。無駄になると申し訳ないので」当店でパソコンで希望の色に変えてそれに基づいて見本を作っていただくことにしました。
「パソコンもっと使えばいいのにね」
伝統産業では職人さんが減っています。でも意外と若い人も興味を持って入ってきてくれているんです。例えば染めの色付けとか刺繍とか手機で織るとかには若い職人さんがいます。
わかりやすいのと最後の出来上がりの華やかさに憧れるんでしょうね。でも、そこまでに至る工程の工程を担う人がいません。機械の部品作りとか、染色の道具を作るとか、繭から糸を引くとか、絣を括るとか、ほとんど職人さんがいなくなったり、完全にいなくなったりしています。今は使わなくなった機械等の部品を直して使っているに過ぎません。風前の灯です。
図案などもほとんど江戸時代からそのまま神や書籍で残されているに過ぎません。この業界を救うのはそういった目に見えないところでのデジタル化も必要なのかもしれません。そういったことができる人たちがこの業界に興味を持って入ってきて下さるといいなと願わずにはいられませんでした。
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