町家のお掃除は建具の拭き掃除☆皇后さまもお好き、野菜せんべい「白川路」」
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「これからよろしくね!」 和室を見回して声を掛けました。
町家の鍵を頂いたのは3月のこと。最初にしたことはもちろんお掃除です。
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町家の建具は美しい!
大正時代の建物にしてはこざっぱりとはしていましたが、やはりお掃除は基本です!
隅から隅まで天井から壁、床まで次女と二人で徹底的にやりました。
この町家の和室は伝統的な和室の造りです。床間に違い棚、梁には雁の形の金隠しが施してあり、繊細な建具が付けてあるのが魅力です。今だったらここまで凝った造りはしないでしょう。これも白生地屋を創業した方のこだわりだったんでしょうね。
伝統の書院造りはお掃除のやり方も違います。
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雑巾を1枚にして角まできっちり拭きます。
桟が細い建具はとても繊細で綺麗ですが埃がたまりやすく細い隙間はハタキなどでは取りきれません。小まめに拭き掃除をする必要があります。
熱いお湯を沸かして雑巾を固く絞ります。
雑巾を重ねず一枚にして人差し指に巻きつけ桟の端までキュッキュと拭いていきます。
あまり力を入れると桟が壊れてしまいます。開け閉めする時も桟の長いところを持って力をかけるとパキンと折れてしまいます。細かい細工をされた職人さんに敬意を払いながら細心の注意をして一つ一つ拭いていきました。
拭きながら思い出してしまいました。昔はいけずな(意地悪な)姑の嫁いびりに障子の桟(さん)を人差し指ですーっとなぞり「こんなお掃除ではね」と言う場面がありました。
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雪見障子から見える緑が映えます。
実は家(岐阜の山本呉服店本店)の裏座敷にも同じような建具があって私は中学の頃から忙しい母に代わって掃除していました。
「お掃除終わったよ~」と母に言うと母が桟を指でなぞってお掃除のやり直しを命じられたものです(^^)
以前にそれと同じ場面に京都の有名なお煎餅屋さんでも同じ光景に出くわしました。
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黒い格子の落ち着いた店舗です。
京都に居た学生時代、母が好きな「白川路」という野菜せんべいを買いに行った時のことです。
「京のおせん処・田丸弥」は市内でも北の端にあります。外回りは黒い格子戸で個人のお宅のようなお店です。
「これでお掃除したと思っておいやすか!」
お店の戸の掃除を終わった若い社員さんに奥さん(その店のおばあちゃん)が細い桟を指でなぞってついた埃を見せているところに出くわしてしまいました。「イヤなところへ来てしまった」と一瞬思いましたが、チラッと私の方を見た奥さんは私にも教えようという目つきでした。
お掃除から社員さんにきっちり教えてはるのを見て、きっとここのお煎餅は細部まで手抜きすることなくきっちりと作られているのだろうと信頼感が湧きました。
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一袋に三枚入っています。
「白川路」は見た目に地味なお菓子ですが、「皇室御用達」(今は御用達制度はありませんが)の額がいっぱいかけてあります。美智子皇后さまがつわりで食欲がないときでも食べられたと言われているお好みのお煎餅だそうです。
金胡麻・黒ごまの風味が香ばしく、サクサクとした歯触りが病みつきになります。
残念ながら京都市内でもあまり売っているところが少なく、本店の他お茶のお家元千家さんの近く堀川通りの支店と寺町京極の入り口、四条を挟んだ南側の御旅所の売店にしか売っていません。
- 白川路を売っている京極の向かいは御旅所(おたびしょ)祇園祭の鉾巡行の時にくじ改め(鉾の巡行順を確認する行事)をする所の隣です。
ネットではもちろん取り寄せできます。日持ちもしますし、甘いものがあまりお好きでない方や普通のものを持っていってもね〜という方へのちょっと気の利いた京都土産、手土産に最適です。
機会があれば是非食べてみてください。きっちりしたお掃除を仕込んでいたおかみさんの心は変わらぬお煎餅の味に今も生きています。
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「やっぱり美味しいね」と母もご機嫌です。
お掃除したら空気がすっきりして凛として来ました。
ここからはリフォームをプロ「マイリッシュデザイン」の中山明季子さんにお任せしました。
友だちでもあり、同じ勉強会でお客様に対する考え方が同じな彼女だから共通の思いを形にして貰えました。
ゴールデンウイーク明けからリフォームにかかります。6月のオープンに向けて「素敵な所ね」「また来たい!」と言っていただけるようになると確信しています。私も皆様に楽しんでいただけるよう準備を加速したいと思います。
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