みんないろいろで、みんないい。☆「品格の教科書」第2章より

品格の教科書

古事記にある神話の世界です。

高天原(たかまがはら)を治めていた太陽神である天照大神(アマテラス)のところへ、

弟のスサノオが訪ねてきて、水田を荒らし収穫を妨げ、神聖な神殿を汚しました。

あまりにも酷かったので、アマテラスは岩屋に引き込んでしまいました。

 

 

すると世界は闇に閉ざされてしまいました。

神さまたちは困りました。

 

みんなで力を合わせてアマテラスが閉じこもった岩を

強引にこじ開けようとしても開きません。

力づくではどうにもならなかったのです。

 

 

困った八百万の神たちは相談しました。

まず踊りのうまいアメノウズメはトントンと足を踏みしめて、

胸があらわになるくらい激しく面白おかしく踊りました。

 

他の神様がそれを見て大爆笑!

楽しそうな周りの雰囲気につられて、アマテラスが岩戸から覗きました。

 

 

その時です、

間髪を入れずにアメノウズメが言いました。

「あなた様よりももっと素敵な神様がここにいます」

そしてアマテラスの前にさっと鏡を差し出しました。

「誰このキラキラ光る素敵な神様は?」

「鏡に映ったあなたですよ」

力持ちのタヂカラオがアマテラスの手を引っ張り、岩屋から連れ出しました。

 

 

 

これまで闇に覆われていた世界に再び、太陽が戻りました。

地上が闇に覆われた時、神様たちはみんなで力を合わせて光を取り戻したのです。

 

 

日本の神様は1人では解決できないからみんなで相談しました。

アイデアを出すのが得意な神様が作戦を考え、

手先が器用な神様が必要な鏡や小道具を作る。

踊りが得意な神様が踊り、

力が強い神様には岩戸を開けました。

 

 

日本の神様たちはそれぞれが個性をを生かし、それぞれができることをして一緒に力を合わせて解決したのでした。

「八百万の神」の

「八百(やお)」とは数が多いこと、

「万(よろず)」とは種類が非常に多いこと

を意味しています。

 

大人気のアニメ「鬼滅の刃」が最終章を迎えました。

山本呉服店のあるスタッフが言いました。

 

今までのヒーローものは一人の英雄が悪をやっつけて終わるのだけど、

「鬼滅の刃」では一般庶民がみんな自分でできることをやってヒーローを助け、

みんなで鬼をやっつけたのに感動したわ。

 

 

なるほど、そういうのはアマテラスの話と同じ、

日本的ですね。

これからの時代はみんなで力を合わせて成し遂げる時代なんでしょうね。

 

個人も組織も、多様性のあるものほど強いのです。

 

 

 

「品格の教科書」はこちら

 

 

 

山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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