帯揚げと帯締めのコーディネートのやり方☆「くれもえの会」創設9

イベント

「帯揚げ、帯締めの色をご相談したく、複数入れさせていただきました。山本さまの光るセンスで選んでいただければと、勝手に目論んでおります」なんとも嬉しいメールをいただきました。

 

くれもえの会に参加してくださったMさまの着付けをサロンでさせていただきました。お荷物になるなので、先に着物を送っていただきました。

 

お着物は無地っぽいですが、付け下げになっています。帯は唐織の袋帯です。

吉田山荘でのイベントの後に弘道館でお茶席でお抹茶、の流れを考えて着物を選ばれたMさまは素晴らしいです。どんな着物でも良いと言われても困る時ってありますよね。そういった時に、場を考えて着物を選ぶとはこういうことなのでしょう。

 

 

ところで、帯締めと帯揚げはどのように選べばいいのでしょう。

着物を広げ、その上に帯を置き、下の写真のように上から見てみます。

部分的ではなく、着姿を想像しながら見てみます。

 

 

まずは帯締めを選びました。

帯締めは着姿のイメージを決める重要なものです。

 

Mさまの華やかな笑顔が浮かびました。帯締めはもう一本グリーン系がありましたが、

迷わずエンジ系に決定!

 

次に帯揚げです。この帯揚げは横に2色に染め分けになっているので、2色が見えるように広めに置いてみました。全体が同じ色柄の帯揚げの場合は幅を4分の1に畳んで置いてみます。

 

 

 

色を決めるのは、着物と帯に合わせるのではなく、

着られる方のイメージに合わせることです。

 

あとは、季節感でしょうか。

 

Mさまは明るいオーラのある方なのでこの場合、グリーン系の帯揚げは暗く見えました。

エンジ系のどちらの色にするかは、たぶん明るい色の方かなと目星をつけて、あとは着付けしながら決めることにしました。

 

 

一般に帯揚げと帯締めを同じ色にしてセットにすると合うものだと考えている方が多いのですが、

帯締めは濃い目の色にして締めることが多いです。

帯が濃い色の場合は反対に薄い色の帯締めで色を抜きます。

 

何れにしても帯締めはキリッと目立たせるのが王道です。

 

(その方の雰囲気で柔らかい同色を持ってくる時もあります。またドレスのようにあえて目が縦に流れるようにする場合もあります)

 

 

帯揚げまで同じ色にして強調してしまうと帯揚げ・帯締めで横の線が目立ち、目線が横に流れます。

 

目線が横に流れるというのは、太って見えると思いませんか?

 

一般に、帯締めは濃い色で決めた後、あまり目立ちすぎると思ったら、帯揚げは着物か帯になじませてあまり目立たなくすれば綺麗です。

 

 

柄の帯揚げを合わせると意外と馴染み、インパクトある素敵な着姿になります。

 

 

柄に柄を合わせるのは勇気が要りますが、上級者の方はこれをうまくされています。柄に柄を合わせるのは着物ならではかもしれません。

 

このようにコーディネートは全体を確かめながら一点一点、決めていった方が間違い無いです。

 

今回の場合は、下に置いた状態でほぼ決めましたが、実際は下に置いてみた場合と、着た時のように立てた場合では印象が随分違う場合があります。

 

迷ったら着付けをしながらちょっと離れて見てみると間違い無いです。

ぜひやってみてください。

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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