着物の裏茶色い水玉模様を見つけたらどうするか?☆その正体はカビです。
きもの豆知識
「母の白大島がこんなになっちゃいました」
お客さまからメッセージが入りました。
裏地に茶色い水玉模様が点々とあります。
この正体はカビです。
長くタンスから出さずにしまっておくと中でシケてカビが生えるのです。
「タンスを開けたら虫が入りそうだから防虫剤だけ入れ替えているの」
と仰るお客様がよくいらっしゃいますが、
防虫剤ではカビは防げません。
絹の着物にとっては虫よりも湿気の方が大敵なのです。
さて、カビが生えてしまった着物はどうすればいいか?
まずは早く発見することです。
放っておけばどんどん広がりますし、
他の着物や帯にも移っていきます。
見つけたらまず、干して乾燥させることです。
「カビはキレイになりますか?」
カビは化学変化を起こしていますので、
染抜きやクリーニングをしても落ちません。
ほぼそのまま茶色く残ります。
カビが生えた裏は新しいものと変えるしかありません。
裏を変えるには、
全部ほどいて洗い張り(生地を洗う)をして
仕立て直しになります。
せっかく仕立て直すのですから、
オシャレな色の八掛に変えることをご提案しました。
八掛は着物の裏地で、腰から下と袖口につけます。
袖口と裾に線を引くように、2、3ミリ見える他、
裾がひらひらした時、
立っている時も後ろからしっかり見えます。
また、
自分ではあまり気づかないかもしれませんが 袖口は目立ちます。
手が動くと袖の中まで見えますしね。
オレンジやエンジの八掛がついているだけで
年代を感じてしまいます。
八掛だけで、大きくイメージが変わります。
八掛の色で、似合う帯が変わることも多いです。
例えば、オレンジの八掛では
優しいイメージの帯や、カッコイイ系の帯を結んでも
八掛のイメージが勝ってしまい着姿がちぐはぐで調和が悪くなります。
着物の色柄はそのままでも、
八掛を変えると着物がよみがえります。
その前に、カビが生えないように
たまには着物を出してあげてくださいね。
カラッと晴れた日に着物でお出かけすれば虫干しもできてしまいます。
紅葉の見頃を迎えた京都も着物で歩いている人が増えました。
長年、呉服屋をしてきた経験からの
エピソードがいっぱいです。
「品格の教科書」は全国の書店さん、
またはアマゾンで手に入ります。
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