速さによって「見える景色」は違う☆品格の教科書に載らなかったおばあさんの教え
「品格の教科書」に載らなかった話
新幹線に乗ると京都から東京へは2時間で着いてしまいます。
早い!
こんなに近かったのかと思います。
景色は飛ぶように後ろへ去っていきます。
浜名湖も、富士山も、見ようと待ち構えていてもうっかり見損なってしまいます。
京都へ帰って2時間歩き続けてもそれほど遠いところへはいけません。
移動する速さが違うのですから当然です。
学生時代、京都のおばあさんが
「ゆきちゃん、できるだけ歩いておみ。歩くと見えるものが違うよ。色々なことに気が付くから。」
それからは、ちょっと遠いなぁと思っても意識して歩いてみることにしました。
歩いてみるといろんなことに気付きます。
こんなところに銭湯がある、
「コレなに?」と思ったら畳のヘリを専門に売っているお店、
業務用の和紙やさん、
アンティーク家具屋さんばかりが並んでいる通り、
こんなところに素敵なカフェがあった、
お豆腐屋さんの前で50円でおからを売っていたり・・・
色々な人の暮らしも見えました。
そこで畳半畳分もある京都の街の大きな地図を買いました。
帰ったら、その日歩いた道を黄色のマーカーでなぞりました。
また行きたいと思ったお店の位置も復習できますし、
次はこっちの道を通ってみようと考えるのにも役立ちました。
4年間にこの地図は真っ黄になりました。
「洋服で歩いているとのと着物を着るのとでは、見える景色が違う」
サロンで着付けした人が言われます。
洋服を着ている当たり前の日常と「着物を着た私」の気持ちは大いに違います。
もう一つはこの「早さ」にあるのではないかと思うのです。
着物は動きが制限されます。
いつものように大股でさっさと移動することはできません。
ゆっくりと歩くことで、見える景色が変わるでしょう。
それを自分で体験して、自分で気付くことって大切ですね。
きっと世界が広がると思うのです。
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