煎茶伝来の地、宇治の黄檗山萬福寺で煎茶会☆「品格の教科書」P157余白は重要なスペースです。

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黄檗山萬福寺での煎茶のお茶会はそれぞれの流派が素敵な設えをされていました。

殺風景な印象しかなかった黄檗山萬福寺でしたが、そのイメージは私の未熟さから来たものだったのでしょう。

 

 

まずは門からです。

 

葵の紋が入った幕の隙間から見える緑とランタンのオレンジの調和、コントラストの美しさに息を呑みました。

 

黄檗山萬福寺の入り口では、真っ白な幕に迎えられました。

 

三つ葉葵の家紋が線で描かれています。

 

「陰紋(かげもん)」と言って塗りつぶしてある日向紋(ひなたもん)の略式になります。

最も正式ではないけれど、改まった儀式の日であることを表しています。

 

 

 

煎茶「方円流」のお手前のしつらえ

 

方円流の茶器は本当に素晴らしかったです。

 

 

こちらの流派では棚の螺鈿(らでん)に感動しました。

 

「螺鈿」は アコヤ貝や白蝶貝などの貝片を漆の器物等の木地などに埋め込んで装飾する方法で、キラキラした貝が宝石のように美しいです。1300年ほど前に中国大陸から伝わった技法で正倉院の宝物にも見られます。

 

 

棚の上には瓦に乗せた野菜が彩りよく守られていました。

 

 

床の間のしつらえ

 

部屋のしつらえ

 

床の間の一幅の掛け軸とひっそり生けられている季節の花だけです。後は襖に描かれている絵と長押に置かれた由諸ある方の横長の額がある程度。<「品格の教科書」P157より>

 

こちらは玄関のしつらえ。

 

どこを見ても空白だらけの、がらんとした何となく物足りない感じさえする部屋が普通でした。

ところが、日本の邸宅には大抵大きな蔵があって、たくさん仕舞われています。

その中から、季節や来客の好みなどを考えて一つだけ取り出して飾り、後は見る人の想像と教養に任せるという仕組みだったのです、

<「品格の教科書」P158より>

 

 

床の間も玄関もその日お迎えするお客様を想定して、たくさんの中からふさわしいものを選んで組み合わせ、飾るのです。

 

 

 

石庭は白砂と岩だけでシンプルですが、景色や物語を想像できます。

 

不要なものや情報を削り、意図的に「あえて何も入れずに空白で残す」ことです。

 

それによって、本当に大切なものは何かをくっきりと浮かび上がらせます<「品格の教科書」P159>

 

 

「品格の教科書」に書いたままの世界!

 

禅寺でのお茶会のしつらえの主役は、まさに「余白」でした。

 

 

 

「お庭の派手な装飾より、こちらの方がいいな〜」

やはりこちらがしっくり来るのは、日本人の遺伝子でしょうか?

<初めてお茶会へ行く方への準備と気をつけることへ続く>

詳しくはこちらのブログをご覧ください。

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    「ホテル椿山荘東京」でお会いしましょう。

 

 

 

品格の教科書」は今に伝わる所作や作法の意味を書いた本です。

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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