着物で思いをつなぐ☆紬ちゃんのための紬の着物

由紀子の日々

「お客様は小柄な方なのに4尺3寸? どうしてこんなに着丈が長いの?」

女性の着物の着丈はほぼ身長と同じです。肩から頭の長さが着物の「おはしょり」(たくし上げ)となります。

鯨尺の4尺3寸は、約167センチ。

間違ってない?

 

 

着物の裁断は平素はほぼ母がやってくれているのですが、難しいものは私に回って来ます。

紬(織物)は小紋など染物に比べて反物の長さが短かく、おまけにこの柄は飛んでいるので柄合わせが難しいです。

 

裁断をやめて、担当者に確認しました。

 

「この紬はお嬢さんにも、孫ちゃんにも着せたいって決められました。お孫さんが『紬ちゃん』と言う名前でこの着物着てくれたらいいなぁっておっしゃっていました。まだ3歳なんですけど」

お母さんが身長が高く、きっと子供さんもまた背が高くなるだろうと長くしておいてほしいと言う希望でした。

 

そんな事情なら絶対に丈を長くして、紬ちゃんにも着てほしと思いました。

 

 

柄合わせによって着物は良くも悪くもなります。

柄合わせによって太くも細くも見えます。

 

寸法表を確認しながら、あっち向けたり、こっち向けたり、パズルの様です。

ハサミを入れたら終わり!

間違えて切ってしまったら着物になりません。

同じ柄は二度とないので取り返しがつきません。

 

 

きれいな着物に仕上がるよう心を砕く事は、呉服屋の誇りにかけて続けたいと思っています。

難しければ難しいほど血が騒ぎます(笑)

 

 

柄を斜めに飛ばせてバランスよく裁断できました。残り切れは8センチほど残っただけです。

柄合わせが間違わないように赤い糸で縫っておきました

 

自画自賛の ステキな柄合わせ ◎

よっしゃーー〜ー !!!

これも私の趣味だなーー、好きでなければできないと自覚しています。

 

 

「山本さんの着物は反物で見ているより、着物に仕上がってくると絶対良くなるね」

祖父の時代からそう言ってくださるお客様がたくさんありました。

その信用にかけて裁断を仕立て屋さんに任せたりしません。

まして、

海外仕立てに出したりなどは、絶対にあり得ません、

 

 

私たちが裏でやっていることは、水鳥が何食わぬ顔で池をスイスイと泳いでいる様です。

 

お客様の目には見えませんが、水面下でやるべき事、やったら良くなる事を黙って積み上げていくのです。

その着物には“お客様に素敵に着ていただきたい”という思いやエネルギーが詰まっています。

お客様が着て喜んでいただけた時、私たちも幸せな気持ちで包まれます。

 

 

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その願いが叶います。

第47回 京裳苑

 

京都、平安神宮前 みやこめっせ1000畳の会場に新作着物や帯が見渡す限り!

着物好きにはたまらない催しです。

47年も続いているのはお客様の指示の証です。

 

           ▪️とき  5月 31日(金).   12:00 〜 16:00

               6月    1日(土)     10:00 〜 16:00

                 6月    2日(日)  10:00 〜 16:00

             ▪️ところ 京都平安神宮前 みやこめっせ 1階

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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