秘めた思い

「梅」は厳しい冬の中でも静かに力を蓄えて、やがてほころぶように花を咲かせます。
雪が降り積もってもそこに春の訪れを告げてくれます。
しなやかで芯のある美しさが好きです。
山本家の家紋は「梅鉢」
あの学問の神様 菅原道真、太宰府天満の神紋と同じです。

梅鉢の家紋
揖斐本店の座敷の雪見障子の外には紅梅の木があり、それは私が生まれる前から変わらぬ景色として心に刻まれています。楚々とした祖母がその部屋に暮らしていた思い出と重なります。
「京都室町サロン」と「しあわせの着付け教室」の理念を表現するロゴの制作を札幌のシマウマデザインの那珂さんにお願いしました。
シンプルながらも奥深く、上品なデザインをご提案いただきました。
このロゴを見た時、子供の「背守り」が思い浮かびました。
背守り(せもり)とは、子供の着物の背中に縫い付けたお守りのことです。
着物を作る時には左右の身頃となる布を縫い合わせるため、背骨に沿って「背縫い」という縫い目ができます。
昔の人は「目」には魔除けの力があると信じており、背縫いの「縫い目」にも背後から忍び寄る魔を防ぐ力があると考えていました。
ところが、赤ちゃんが着る着物はとても小さく背縫いがありません。そこでお母さんたちは、子供に魔が寄り付かない様に背縫いの代わりとなる魔除けのお守りを付けました。
この形を縮緬の生地で中にふっくらと綿を入れて作ったら可愛いだろうなあ〜
赤は魔除けの色でもあります。
このロゴの梅の花の中央にそっと描かれた雄蕊(おしべ)。
実は、これは単なる花のディテールではありません。二つのY。これは、山本由紀子 のイニシャルであり、着物の襟元の重なりを表しています。
着物は一般的に、苦しいものと思われているのがとても悲しいです。
それは「紐をキツく締めなければ着崩れる」という間違った思い込みのせいです。
着物は女性をしなやかに優しく包み込む風呂敷のようなものです。
私は楽で着崩れしない女性に優しい「しあわせの着付け」を広めたいと活動しています。
中世ヨーロッパの女性をコルセットから解放したのは ココ・シャネル(Coco Chanel)
高級ブランドで知られた「 C 」を二つ重ねたマークです。
シャネルが女性たちに「自由」を与えたように、私も「着物は楽で心地よい」という新しい価値観を広めたい!
このロゴは、そんな私の野望であり、覚悟の象徴です。
日本のココ・シャネルを目指し、しなやかで美しく、自由な着物文化を伝えていく。
それが「京都室町サロン」と「しあわせの着付け教室」に込めた想いです。
このロゴとともに、これからも着物の魅力を伝え、しあわせな着物時間を紡いでいきたいと願っています。
4月開講「しあわせの着付教室3期」こちらからお問い合わせください。
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