「おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉」の松尾芭蕉の句の深い意味☆「幽玄鵜飼」

「おもしろうてやがて悲しき鵜舟哉」
1300年の歴史をもつ長良川鵜飼を鑑賞した「松尾芭蕉」の句です。
鵜飼は鵜を使って夜、篝火に集まる鮎を捕る漁です。
「鵜呑み」という言葉の通り、長い首に縄を付けた鵜が鮎を飲み込んだ瞬間に首を少し締めて船へ引き寄せ、飲み込んだ鮎を取り出します。
芭蕉の俳句を 私は長年とんでもない勘違い!
鵜はせっかく鮎を取ったのに、何度取っても自分には食べられない可哀想な様を詠んだのだと思っていました。
歴史に名を残した松尾芭蕉ともあろう人がそんな浅い歌を残すなんてことはありませんよね。
恥ずかしくなります。
鵜飼は全国でも何箇所かで行われていますが、長良川鵜飼は唯一「御料鵜飼」として皇室の保護のもとに行われています。
鵜匠さんたちは宮内庁式部職(国家公務員)です。
織田信長も居城とした金華山のすぐ下の長良川3箇所が禁猟区に指定されていて、年8回御料鵜飼が開催されています。
後半の「やがて悲しき鵜舟哉」は謡曲「鵜飼」に由来しています。
禁猟区には鮎がいっぱい居ます。いけないと知りながら禁漁区で漁をしたために仲間に簀巻きにされ川に沈められた鵜匠の亡霊が、鵜を使いこなす業を再現する曲です。最後は 鵜飼舟の篝火の光も消えて、暗いあの世へと帰るわが身の、名残惜しさをどうしようと結ばれます。
その姿は評判高き岐阜・長良川の鵜飼から帰る芭蕉の姿でもあります。
鵜飼の面白さは人が伝えてくれた通りで、この情趣がわかる人に見せたいなあなどと言いながら、暗い夜道を鵜飼見物から帰る名残惜しさと重なります。
6月23日は長良川で漆黒の中「幽玄鵜飼」が行われます。
350年前織田信長も見たであろう長良川鵜飼を再現」がテーマです。
新月の夜、長良川両岸の旅館や民家に協力を得て灯りを消し、トンネルから出てくる車のライトも幕を張って防ぐ念の入れ方。
そこに観世流家元が演じる能「敦盛」 横笛の音と鼓の音が水面を渡ります。
至近で並走する鵜舟、鵜匠さんと鵜の息づかいも感じながら鵜飼を堪能、
フィナーレの「総がらみ」は今はやらなくなった(やれなくなった)手の込んだフォーメーションが見られます。
それを仕掛けたのは元テレビプロデューサー「笹尾八穂子」さん
良くぞここまでやってくださいました!!
友達と共に私も参加します。
1300年続いている鵜飼に参加するのは「着物」でしょ。
自分の気持ちも整えて、乗り込みたい!
多くの方にその気分を最高に味わっていただきたい!
私たち山本呉服店もスタッフを挙げてできる限り着付もします。
楽しみで仕方ありません。
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