失敗しない「着物のサイズの測り方」とコツ

きもの相談

自分の着物の寸法サイズを測るには2つの方法があります。

1つは自分の体型を測ることです。

その測り方についてはこちらも参考にご覧ください。

着物の裄(ゆき)昔の着物はなぜ短い?☆ごとうゆうこ、初めての着物に出会う34

 

体型の測り方についてはまた別の機会にご説明します。

 

 

もう一つは自分が着やすい着物の寸法を測ることです。

 

着慣れた着物であれば間違いないのでこちらがおすすめです。

また着たことがある着物より裄だけちょっと長くするとか、着丈(着物の長さ)を短くするとかそういうのも有りです。

 

着物を新しく作った場合でもお家にある長襦袢と合わせたりしたいので、長襦袢のサイズを確認することも大切です。

 

 

 

物差し(尺でもセンチでも良い)またはメジャーを用意します。

 

 

どこを測ればいいか、

1)袖丈

2)裄(ゆき) 肩幅➕袖幅

3)身幅    前幅と後幅

4)着丈

5)袖付け

 

まずは着物を広げます。

 

 

1)袖丈は袖山から下の縫い目までです。

 

一般的には1尺3寸(49センチ位)が多いです。

 

2)裄(ゆき)は背中心の襟の付け根から袖口まで、斜めに測ります。

 

今は長めが好まれるので1尺7寸5分(66センチ位)が多いです。

その時、肩幅(背中心から袖の縫い目まで)と袖幅(袖の縫い目から袖の先まで)も測ります。

その二つの合計が裄となります。

 

 

畳んである時は襟が中へ入っているので出します。

 

背中心から身頃と袖の縫い目まで(肩幅)と縫い目から袖の先まで(袖幅)も測っておきます。

 

 

3)身幅は裾に近いところで測ります。

 

裾の方で測ります。

 

前幅は、おくみ(前に20センチくらい別についている部分)を除いて測ります。

 

 

 

後ろ幅も裾に近いところで測ります。

 

多少太っても着るのに楽なのは6寸5分(24.5センチ)です。後ろ幅は8寸(30センチ)です。

 

 

4)着丈は背中心の襟の付け根から裾までをまっすぐに測ります。

 

身丈の目安は身長です。

着物をよく着られる方では好みがありますし、腰紐の位置や太さによっても違ってきますので、着やすい着物を測って自分の身丈を知っておくことも大切です。

 

着丈を身長と同じ長さにしておけば肩から頭の先の長さが「おはしょり」(腰のたくし上げ)になります。

 

5)袖付は身頃と袖が縫ってある長さです。

 

一般的には6寸(22、8センチ)振袖は5寸5分です。

 

袖山から袖が縫ってあるところまでが「袖付け」です。

 

 

人差し指のところが縫い目です。そこから約3センチ生地が重ねて塗ってあります。そこがくりこしです。また物差しの左、見頃と袖が縫い付けてある部分が袖付となります。

 

あとは「くりこし」でしょうか。

くりこしは後ろ身頃の帯の下になるあたりに縫い重ねてある幅を測ります。前身頃でも同じような位置で縫い重ねてる場合(特に留袖、訪問着など)は後ろと前の差になります。

 

一般的に8分(3センチ)です。

 

参考までに身長による大体の目安をお知らせしておきます。

 

 

 

私たちは身長を目安にして、だいたいの寸法を描きます。

 

伝えてくださった寸法があまりにこの基準から外れているとお尋ねしなおすことにしています。

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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