着物の値段、なぜ分かりにくいの?☆着物は「お誂え」貴方さまご相談してと作り上げます。

きもの男子

「着物って高いですね~」の言葉の裏には「良く分からないのにいっぱい色々なものが加算される」という不透明さがあるのではないかと思います。「着物っていくらくらいするの?」とは聞きにくいでしょう。

着物そのものの値段も良くわからないけど仕立て上がるまでにどんなものが必要でいくらくらいかかるのかも理解できないでしょう。

 

例えば男性の黒紋付を誂えるとします。

まず紋付の生地を選びます。この値段がまちまちです。

 

「皇室献上絹」とは皇室に献上して受け取っていただけたという光栄な品物です。その意味で品質が良い品として認められています。

 

 

巻が上と下にあるのは着物と羽織、繋がっていることから同じ生地であることがわかります。着物や羽織を作る生地の長さは決まっていますので、生地に表示されているグラム数が重いほどいい生地、絹糸が沢山使ってある地厚な生地になります。同じように黒染めしてもたくさん染料が入るため地厚な方が深みのある黒に染まります。

ピンキリで値段もまちまちですが、安いからといってぺらぺらの薄い生地、白茶けた黒のものは置きません。着物は人前で注目されるものだけに自信を持ってオススメできる品質のしっかりしたものだけをお勧めします。

 

着物と羽織に紋を入れます。

 

白く染まっていない丸(石持:こくもち)に家紋を書きます。男物では直径がくじら尺で1寸、約4センチあります。

 

胸に2個、後ろ袖に2個、背中心に1個。着物と羽織両方に入れるので10個書きます。目立ちますよね。

 

着物の裏と羽織の裏を選びます。

 

羽織の裏は色々な柄があります。黒紋付用は白地を付けます。

 

着られる方のサイズで手縫いで仕立てます。

海外仕立てが多い中、山本呉服店は近くの熟練した仕立て屋さんにお願いしています。海外仕立てでは約40日かかりますが、いつも協力してくださる方ばかりですので必要な日には徹夜しても縫っていただけます。日本の着物は着物を知っている日本人にお願いしたいとそれだけは譲れません。

 

紋付に限らず一般に着物はチェーン店などでは仕立て上りの値段が付いているお店もあります。そういう点ではわかりやすいと思うのですが、値段を重視するあまりに必ずしも着物にふさわしい裏が付いているとは言い難い場合もあります。(山本呉服店では表地価格で表示しています)

 

裏地によって着心地が変わります。男性の着物の裏は表地(着物)が絹でも綿の裏地をつけるのが一般的です。でも絹をつけた方が軽くて柔らかく着心地も最高です。お値段はかなり違ってきます。それを一定のものをつけてしまったのでは着物の文化がなくなってしまいます。しっかり説明をした上で決めていただきたいと思います。

 

だいたいの目安として男性の黒紋付一式お仕立て上りで50万から90万ほどでしょう。紋付着物・羽織、紋入れ、着物裏、羽織裏、着物仕立代、羽織仕立代、長襦袢、裏、半襟、仕立代、角帯、羽織紐、雪駄、巾着といった着るのに必要なもの一式の目安です。

 

紋付は主役として人前に出る時に着るものですからあまり品質のよくないもの(生地が薄いもの、黒の色に深みのないもの)は初めからお勧めしません。長く残るものですから店の信用にかけて良いものしか取り扱いません。

その上で裏や帯なども一つ一つ選んで自分だけのものを選ぶ楽しみ、自分サイズで作り上げるお誂えは着物ならではの醍醐味です。

長年、着物に携わってきたプロとしてしっかりご相談になりたいと思います。

お気軽にメールをください。info@y-yukiko.jp

 

 

山兵、京都さろんで

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着物ってその方の雰囲気で着るものです。どのような方で生活の中でどのようなシーン(場面)で活用できそうかお話しして伺います。

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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