映画「国宝」のポスターに懐かしく、、☆ 私の歌舞伎体験

日本文化であそぼ

映画「国宝」が空前の大ヒットを飛ばしています。

見に行かれた方も多いのではないでしょうか。

「歌舞伎を知らなくても十分楽しめました」

そんな投稿が多かったです。

 

 

国宝のポスターでは全体の内容を象徴するように「京鹿子娘二人道成寺」を演じる吉沢亮さんと横浜流星さん二人の女方役者が相対しています。

 

 

道成寺(どうじょうじ)は「安珍(あんちん)と清姫」の伝説で有名な和歌山県の古寺です。

能「道成寺」のあらすじは

小さな白蛇(清姫)がお寺の若いお坊さん(安珍)に命を助けられます。お坊さんに恋をした白蛇が白拍子(しらびょうし)に化けて逢瀬を重ねるけれど、ある日 蛇の化身だと知ったお坊さんは嘘をついて娘から逃げます。怨霊になった娘が大蛇に変化して大鐘に隠れた若いお坊さんを焼き殺してしまいます。

 

それに対して歌舞伎の演目「京鹿子娘道成寺」は、

道成寺を舞台にして、白拍子の娘が恋心を踊りで表現する華やかな舞踊劇です。

白拍子とは平安時代から鎌倉時代に太刀(たち:長い刀)を差した男装で、今様(いまよう)と呼ばれる歌を歌いながら舞った女性のことで、源義経の愛人「静御前」も白拍子でした。

 

 

日本舞踊を習っていた私も「京鹿子娘道成寺」(通称「手習子」てならいこ)は教わっていました。

映画の中で主演の二人の踊りと同じだったので、つい 唄やお囃子のテンポを取って頭の中で踊っていました。小さい頃に習った所作は結構覚えているものです。その頃は、踊りの意味も、あらすじも全く知らずに、知ろうともしないで習っていたのが今は勿体無かったなあと振り返っていました。

 

幼稚園から習い始めて、京都でも続けていた日本舞踊。

京都でのお稽古場は南座のすぐ裏でした。一緒に習っていた京都の有名な写真家の奥さんKさんは東京の下町の出身で、幼い頃から芝居小屋の裏から潜り込んで歌舞伎に入り浸っていた人でした。お稽古帰りに一緒によく歌舞伎を見に行って、役者さんや演目のこと、見方、衣裳や化粧の法則なども教えてもらいました。

何回も見たい演目は4階席の一番安い「天井桟敷(てんじょうさじき」へ。

天井がすぐ頭の上に感じられる屋根裏のような場所は「大向(おおむこう)」と呼ばれる人たちの聖地でした。大きな声で役者さんに声を掛け声をかけていました。

Kさんもそこでは「待ってました」とか「成田屋っ」とか役者の登場や、見得を切るなど、絶妙のタイミングで声を掛けていました。側でいきなり大声を張り上げられた時はビクッとしたのを今も覚えています。そういう「通(つう)」の人と一緒に居る自分もちょっと誇らしく偉く思えたものでした。

日本舞踊を習っていたおかげで良い友達ができて稀な経験をさせてもらえたなあと今は懐かしく思い出されるのです。

 

 

年末には南座で吉例顔見世興行があります。

歌舞伎の人気が復活しているようなのでチケットが取れるかどうかわかりませんが、

オシャレして行きたいな〜なんて考えています。

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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