「着物に黄色いものがついてる」のは汚れ?☆お母さまの振袖、しばらく着ていない着物は要注意!

きもの相談

「振袖も帯も山本さんに勧めてもらったのを作っておいてよかったわ~」

来年成人式のSさまお嬢様とお母様、おばあさんが振袖を持ってきてくださいました。

 

白黒のモノトーンの総絞りの振袖に帯は普通ならゴールドか白、たまに赤地の帯を合わせるのが王道なのです。Sさまには渋いグリーンの細かい柄の帯を個性的に合わせ、帯揚げや帯締めは真紅でまとめました。

 

まずはそのままお嬢様に着ていただきました。

着付けをしている間に、

「どこへ行っても褒めらたのよ。帯は訪問着にも何回も使ったし」とお母さま。

「この帯ね、私も留袖に4回も使ったわ。しなやかで薄くて軽くて、どこで着せてもらっても褒められてねーー」とおばあちゃん。普通なら振袖用の帯は柄が大きく、色も原色に近いので振袖以外の着物には合いません。ましてお母さまが留袖に結ぶなんてことはほぼありません。

 

何十年経っても、お勧めしたものが良かったと褒めていただけるのは本当に嬉しいことです。

 

お嬢さまは赤があまりお好きでなく、コーディネートをピンク系に変えて欲しいとのことでしたので、白地にピンクの大きな花柄を刺繍した半襟に変え、重ね襟はピンク、ターコイズブルー、パールの3本を入れ豪華にしました。帯揚げは白のちりめんにパステルカラーの紫の華やかな刺繍、帯締めは紫とゴールドのゴージャス系にしました。

 

「全然感じが変わったね。山本さんしかこんな色合わせはできないから、来て良かったわ」皆さんとても気に入ってくださいました。コーディネートしたスタッフも喜んでいました。

 

 

ところで、気になることがありました。

真っ白なはずの帽子絞りが黄色くなっていたのです。

 

 

黄色いのは「カビ」です!

 

お母さまが着られてからずっとタンスに入れっぱなしだったそうです。

 

 

タンスに入れてある間に湿けたのです。

カビは化学変化を起こしているため、洗ってもクリーニングしても白くなりません。

 

 

喜んでいらっしゃるのに水を差すようでしたが、お話ししました。

 

「柄だと思ってた~。そういえば、前は白かったよね」

「言ってもらってよかったわ」

でもお母さまの振袖をお嬢さまも気に入ってくださっていて「柄だと思って着るから大丈夫」と言われました。お嬢さまがそう言ってくださったことで、むしろホッとしました。

 

 

「どうしたらいいですか?」とお母さま。

カビなのでとにかく広げて干して乾かすことです。

ちょうど今は乾燥している時期なので、ハンガーに掛けて直射日光が当たらないところに2、3日かけておきます。

 

ついでに着物が入れてあった文庫(紙の包み)も干しておきます。

タンスの扉あも開けっ放し、引き出しも互い違いに引き出しておくと空気が通います。

 

ただ注意していただきたいのは、

カビがなくなるのではないので湿気があればまたひどくなっていきます。

 

一度カビが生えた着物は気をつけて時々干しましょう。

 

 

黄色いのは取れませんが、カビ取りクリーニングはできます。100パーセント取ることは無理ですが、あとはカビが生えにくくなります。

 

Sさまにご案内したら「孫が着ると言っているからやっておいてください」とのことでした。

 

黄色くなってからでは手遅れなので、ご自分の振袖を着せたいと思っていらっしゃる方、着物がしばらく出したことないなという方「思い立ったら吉日」一度タンスを開けてみてくださいね。

 

 

タンスには虫除けの「防虫剤」より「乾燥剤」をたっぷり入れておくことをお勧めします。

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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