小紋の着物は裁断を仕立て屋さん任せにしないのは「三方よし」

お見立て

「こちらにいるうちに小紋、裁っておいてよ。残してあるから」

小紋や紬のように巻いてある反物は長いままなので、その方の寸法に合わせて裁断しなければいけません。このような大胆な柄は裁断するのが大変なんです。

 

仕立て屋さんにはお客様の微妙な体型や雰囲気などはわかりませんし、顔のそばに似合う色を持ってくるなんてことはできません。

 

山本呉服店では昔通り、買っていただいた着物は全て店で柄あわせをして裁断し、裏を入れてから仕立て屋さんに仕立ててもらいます。

 

切ってしまってからでは手遅れですし、同じ反物はまずありません。

仕立て屋さんも裁断ミスのリスクもなくなり、すぐ仕立られると喜ばれています。

 

 

ほとんどの場合、母がやっていてくれるのですが、小紋は裁断によって着物の感じががらりと変わってしまうものだけ 私に残してあります。

特に小紋は趣味性の高い着物ですので、お客様のお客様の好みもあります。

今日も買っていただいたときにお客様提案したように裁断することにしました。

 

 

横段の大きな柄は何も考えずランダムに裁断してしまえばこんな感じです。

 

また横に全部線を合わせると体を輪切りにしたような感じになってしまいます。

これも、ものさしが置いてあるところが裾です。大胆な横段ですね。

 

今回、提案したのはこんな感じです。

 

横段を半分ずつずらすことによって全体に訪問着のような感じになります。

着ると斜めに順に下がっていくので流れていく感じですっきり仕上がります。

 

ちょうど絵羽柄(留袖や訪問着のように裾の柄が縫い目でも合わせて作ってある着物)の感じになります。

 

寸法伝票の裏に具体的に書いて伝えます。もちろん仕立て屋さんに渡す時にも確認します。

 

仕立屋さんにわかりやすいように、寸法だけでなく裏側に絵を書いて説明しておきました。

 

 

山本呉服店の着物が出来上がると、想像していた以上に良くなると評判をいただけるのは、見えないところでこんなことをやっているからです。

 

実は京裳苑(京都で開催の展示会)などで

染めている作家さんにお会いすると、自分が思った以上の仕上がりになっていると喜ばれています。

 

お客様を知る私たちが裁断するのは「三方よし」なのですね。

 

少しだけ裏側をお見せいたしました。

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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