大晦日、静かに来る年を思う

歳時記

未来は予測するものではなく「欲しい未来は自分で作れ」

 

雪がしんしんと降っている大晦日の夜です。

いつもなら紅白歌合戦を見た後、裏の三輪神社へお参りに行きます。ボランティアで地元の仕出屋さんが年越し蕎麦を、神官さんの奥さんたちが甘酒を振舞われています。

たくさんのお参りがあって、特にここ何年か中学生や高校生がきちんと並んでお参りしています。ちゃんと日本人のDNAが受け継がれている、日本も捨てたもんじゃないな〜と思うのです。

 

20年ほど前、大晦日は真っ暗でした。

私の祖母はそれでも良い着物に着替えて三輪神社にお参りしていました。その節目のつけ方にいつも凛としたものを感じ、祖母を尊敬していました。

 

 

若い神官さんが次々と変えていかれます。最近だけでも、大黒さんや兎を祀ったり、重軽石をおいたり、車のお祓い場が出来ていたり、、、隣に住んでいる私でさえ、変化にびっくりするくらいです。

 

神社ですからほとんど宣伝されることもなく、黙々と手立てを打ち出し、確実に口コミで参拝が増えています。平日の昼間さえお参りする人が途切れることはありません。

 

「おじいちゃんのようになりたい」神官さんはずっと以前に言われたそうです。

神官さんのおじいさんは大津の日吉神社の重鎮でした。お年をとられてからは揖斐にいらっしゃいましたが、それまではあちこちの神社を転勤(?)されて上へ上がっていかれたそうです。そして揖斐へ帰って来られてからも日吉大社で重要なお祭りがある時はお迎えの車が来ていました。個人的な信者さんも多く、揖斐祭りの時はたくさんの方が来ていらっしゃいました。

 

おじいちゃんのようになりたいと言っても転勤なしに揖斐にずっと居てなれるのかな?その世界のことは何もわからない私は密かに思っていました。

 

しかし、方法は一つではないのですね。今の神官さんを見ているといつもそう思います。

「欲しい未来は自分で作る」お参りするたびに、私もそれを胸に刻んでいます。

まずは年の初めにしっかりと自分と向き合って「欲しい未来」を思い描く。

 

気持ちを落ち着けるにはまっさらな白い雪に包まれるのは最高かもしれません。

大雪警報が出ている揖斐にて、0時を迎えました。新しい未来の始まりです。

みなさまにとって良い年になりますようにお祈りしています。

 

山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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