朗報! 着物は一回のレッスンで着られます。

お見立て

「すご~い!一回できれいに着られましたね。」池田さんとお嬢さんAさんが仕立上がった着物を京都へ取りに来てくださいました。お正月には自分で着ていただきたいと思い、着付けをお教えすることになりました。

結果から先に言えば、この写真はAさんが自分ではじめて着られた時のものです。

「自分で着てみて、どう?」帯のあたりを撫でてにっこり、

「いつまでも着ていられます」

成人式に振袖を着せてもらってとても苦しい思いをされたAさんがにっこり微笑んでくださいました。

その笑顔を見て私は嬉しくて、何者にも変えがたい喜びを感じました。

 

きれいでゆったり、着せられている感満載のガチガチの着方でもありません。

それでいて着崩れもしません!楽です。

 

 

Aさんはとても頭がいい方で、言ったことはすぐにやってくださいました。

みんながこのように一回で全てを覚えていてやれるとは限りませんが、3回もやれば着られるようになる可能性を感じました。

 

 

どうしたら一レッスンできれいに着れるようになるんだろう?

当日までに方法を考えました。

経営でもそうですが、得たい結果を設定してそのためにはどうしたらいいかを考えます。

Aさんは理系女ですが、先に仮説を立てそれが正しいことを実証するには、どのような実験をしてそれを裏付けるかを考えます。

 

いわゆる「逆算法」です。

 

目ざすべきスタイリングを頭に描き、どうすればそうなるか、やり方を学びます。

最初から順番にやることを覚えるのでは、目的には達しません。

 

 

そこで着付けの稽古をする前にお話ししたことは

1、目指すべき着物のスタイルを頭に入れる。なぜそうなのかを知る

2、それを実現するためにはどうしたらいいか、やり方を知る

3、それを効率的に成し遂げるための方法(学び方)を知る

 

私は説明と着方をお教えしますが、絶対に手は出しません。

 

それによって、私の声を聞けば「そうすればよかったのね」とわかります。いちいち動画を見なくてもいいのです。

 

「やるときにやるべきことをきっちりやること」で、きれいな着方になります。

 

 

着物を着ることは決して難しくはありません。

昔は子供だって朝起きたら着物をきちんと着ていたのですから。

 

そもそも「着付けは難しい」「一回で覚えられるはずがない」そう言った刷り込みがあまりにも強いのだと思いました。

 

まずはこの思い込みを外すことで、着物を着られるようになるのだと思いました。

あとは、頭で考えなくても手が動く状態を目指して、数稽古です。

 

 

それにしても、いつもは冷静で優秀なリケジョが

卒業式に袴姿「自分で着てきました」ってかっこよくないですか!

人間の幅が計り知れなく広く感じます。

Aさんはきっとそうなることを確信しています。

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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