おみくじは神様の教え、和歌の意味を味わうべし
「久しぶりに大吉だったよ」
雪で足元が悪い中、南宮大社へ初詣に行きました。いつもなら駐車場へ車を入れるのも、お参りするのも、おみくじを引くのも長蛇の列なのに、さすがに今年はがらんとしていました。おみくじもさっさと引いて持ち帰って読みました。
初詣に出かけた時、おみくじを引く人は多いのではないでしょうか。
南宮大社では丸めてあるおみくじをたくさんの中から摑み取るタイプなので、おみくじの箱に手を突っ込む前に消毒してから取りました。今年ならではです。
普通は「振くじ」と呼ばれるタイプが多く、木筒の中に入っている竹簡(くじ)を振り、穴から出てくる1本の棒を出します。それに記してある数を伝えて神官や巫女さんに紙片をもらいます。
つまり神官さんや巫女さんは紙を手渡すだけの役です。
長野の戸隠神社では、おみくじは数え年を言うと神官さんが奥で祝詞をあげて神様にお伺いを立てて一枚の紙を持ってきてくださいます。おみくじは神様の神聖で公平な意思を表すものなので、私は待っている間「神様、お言葉をください」と手を合わせています。
おみくじは神事を司る神官さん自身がくじを引くのが本来のあり方なのです。戸隠神社はパワースポットとしても有名なので力をもらえる感じとともに、神様の本物の声が聞ける気がして、2キロ以上も山道を歩いておみくじを引いてもらうのを楽しみにしています。
戸隠神社ではすでに平安時代からおみくじはあったそうです。比叡山延暦寺から持ち帰ったものを元に1~100番までのおみくじが作られました。
江戸時代になって、東京上野の寛永寺を創始した天海僧正の夢に、日ごろ帰依する元三大師が現れ「信州戸隠山にある観音籤で、信心して占えば、人の願いに応じて吉凶、禍福を知らしめるであろう」とのお告げがありました。早速、天海は戸隠のおみくじを取り寄せ、経をとなえ、ゆすりながら筒の口から出た籤で占ってみると、将来のことが手に取るように明らかだった、との逸話が残されています。この観音籤の広まりとおみくじの解説本の登場により、庶民も病気、待ち人、縁談、引越し、商いなどを占うのが広まっていきました。
おみくじは「大吉」とか「凶」とか、くじのように当たりを競うものではありません。その内容こそ大切なのです。それは生き方に対する神様のアドバイスなのです。
おみくじでは最初に書かれてある和歌や漢文が一番重要です。その意味を噛み締めることで深い意味が伝わってきます。
戸隠神社ではホームページで番号を検索すると内容の解説が見られます。
ところで、戸隠神社では「向 吉」
「今はまだ障害があるが、静かに事を成せば十に十かなう」
その後、南宮大社では「大吉」
「心に油断なければ何事も繁盛して心のままになるでしょう」
2つのおみくじを繋ぎ合わせて、もう障害はなくなって願いが叶う気になりました。
あちこちの神社でひいたおみくじを、自分の都合の良いように解釈している自分に笑ってしまいます。
それでも「信じるものは救われる」自分を信じる裏付けにして、頑張れたらそれでいいのではないでしょうか。
「願いが叶ったら必ずお礼参りに来ますね」と神様に約束してルンルンで帰ってきました。
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