恋人を「ふった」「ふられた」は振袖の袖から☆着物には意味があります1
「成人式に振袖を着る」というのは今や当たり前、
「花火に浴衣」のようにお祭り衣装?のように特に意味を考えずに着ています。
でも、ちゃんと意味があることなのです。
江戸時代、女性から男性に「あなたのことが好き」とは告白できませんでした。
そこで振袖の袖を持って、意中の男性に向けて呼ぶような仕草で振ったのです。
恋人を「ふった」「ふられた」も実は振袖の袖からできた言葉です。
めでたく結婚したら、もう他の人には気持ちを寄せませんと袖を短くしたのです。
「切る」というと「縁を切る」ことにつながり縁起が悪いことから「袖を止める」「留袖」となったのです。
振袖が本来、既婚者が着るものでないと言われたのはこんな訳があったのです。
このころの留袖は振袖をリメイクしたため、様々な色があったのですが、江戸時代後半から地色を黒く染め、家紋を五つ入れ、裾の部分には縫い目で柄が途切れないようにつながる「絵羽模様」が描かれました。
この柄は「江戸褄(えどづま)模様」と言われ、大奥の御殿女地中や江戸深川の芸者の流行を真似たという説があります。
振袖は結婚前の女性の第一礼装なのに対して、黒留袖は結婚後の第一礼装です。
そして結婚式は最も大切な儀式でした。
だからミスもミセスも第一礼装、つまり最上級の着物で出席したのです。
今は結婚式に黒留袖を着るのは親だけのようになってしまっていますが、ほんのすこし前までは結婚式に参加する親族の女性はすべて黒留袖を着たというのも納得できます。
戦後しばらくは、花嫁は結婚式に黒留袖を着ました。その後の時代、華やかな打掛を着た後、最後に黒留袖に着替えて嫁ぎ先のお母さんと一緒にご挨拶した時代もありました。
着物のシーンによる着方は時代や地方によって変わります。
今は華やかな振袖は場を盛り上げ、パーティー着として既婚者でも着ます。
皇室でも、雅子さまが結婚された後もしばらくは振袖で出席されたこともありました。
実際、結婚していても友人の結婚式に振袖を着て行かれる方は当店でもあります。
時代の変遷に合わせて、むしろ柔軟に考えないといけないと思います。
それでも、着る意味は覚えておきたいものですね。
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