オリンピック閉会式に岐阜の郡上おどり☆お盆の行事1
「あっ、郡上おどりをやってるー」
オリンピックの閉会式に日本を代表してアイヌ古式踊りと沖縄エイサー、秋田県の西馬音内(にしもない)盆踊り、そして岐阜県の郡上踊りが紹介されました。
郡上おどりは山本呉服店から車で約一時間、山間の情緒豊かな郡上八幡で行われます。
7月中旬から9月上旬にかけて30夜以上にわたって一ヶ月も続く日本一ロングランの盆踊りです。
盆踊りは鎌倉時代に浄土宗の僧侶「一編上人(いっぺんしょうにん)」が広めた念仏踊りに由来していると言われます。
念仏踊りは個人の魂の安らぎを祈念し、厄災を払う目的で踊られました。
お盆に帰ってきたご先祖様に対して
「お盆の期間中何か失礼をしたかもしれません。それでもどうか気持ちよくお帰り下さい」
と言う気持ちを込め、ご先祖様を送り出すために踊るものです。
郡上おどりは400年にわたって城下町郡上八幡で歌い踊り続けられてきたものです。
江戸時代に城主が士農工商の融和を図るために、藩内の村々で踊られていた盆踊りを城下に集めたので踊りの種類は全部で10種類もあります。
「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい。」と奨励したため年ごとに盛んになったものです。
そんな歴史背景から郡上おどりは
「見るおどり」ではなく「踊るおどり」といわれています。
開催時間は平日と日曜日が大体8時から10時半、土曜日は8時から11時までが基本ですが、
クライマックスの8月13,14,15,16日の4日間は徹夜おどりです。
少雨でも決行、朝5時、明るくなるまで踊り続けます。
山本呉服店でも毎年、郡上おどりに行かれる方の浴衣の着付けがたくさんあります。
最初は「Tシャツでいいや」と出かけてしまった人も郡上八幡に着くと「しまったぁ!浴衣(ゆかた)にすればよかった」と後悔して浴衣で再度挑戦される方が多いのです。
それは郡上八幡という町は、日本の夏風情がたっぷりの町であり、浴衣が似合う町だからでしょう。
最初にはじまるのが「郡上の八幡出てゆく時は、雨も降らぬに袖しぼる…」の歌詞でよく知られている「かわさき」。 次は下駄を打ち鳴らしてアップテンポな踊り「春駒」で、一晩で下駄が磨り減ってしまうほどです。
おどり上手の旅の方には郡上おどり保存会から免許状が公布されます。
審査の方法はおどり会場で毎晩10時ごろになるとその日の課題曲が屋形に表示され、保存会員の人たちが櫓の上から見ていて
「これは上手い!」という人にはその場で免許皆伝と記した木の札が渡されます。
それをおどり会場にある郡上おどり保存会の事務所へ持って行くと「正調郡上おどり世久(よく)修得されたことを証します」と墨字で記された立派な免許状に交換されます。
免許状の保持者は全国各地で行われるイベントなどにインストラクターとしてお誘いがあります。
それを目標に毎年通われる方も多いです。
その方たちはたくさんの踊り手の中から注目されやすいように、驚くような大胆な浴衣を選ばれます。
車のトランクに浴衣一式積んでおいて勤め先から郡上へ直行、徹夜で踊ってそのまま出勤、なんて人もこの時期多いです。
しかし、若い人でも、体力がある人でも徹夜で踊るとさすがに疲れます。
岐阜駅から踊りの時間に合わせて郡上へ直行バスが出ているので、帰りはバスの中で仮眠というのがオススメです。
夏の歳時記を楽しむっていいですね。400年続いているのにはそれだけの理由があります。
残念ながら2年続きで今年も中止です。
狭い街にたくさんの人が集まり密になるから仕方がないのですが、あの活気がいいんですね。
みんなで盆踊りを楽しめる日が来ることを祈ってやみません。
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