「台風一過」四文字熟語で伝わる情景☆日本語の表現の素晴らしさ

本の出版

台風がやってくる。

日本を総なめにするような台風の進路に警戒して、昨夜は東側の雨戸を閉めました。

岐阜の辺りではちょうど台風が南へそれて雨が少し降ったくらいで済みました。

 

 

 

夕方、空を見上げると爽やかな青空にのどかな白い雲がのんびり浮かんでいました。木々を揺らす風も優しく吹いていました。

台風がエネルギーとして空気中の水蒸気を吸収していくことが原因らしいです。

科学的根拠があるのですね。

ただし台風の後、必ずしも好天に恵まれるとは限らないそうです。

 

 

「『台風いっか』ってどんな字を書くか知ってる?」

目の前で、パソコンで仕事をしていた今年入社のスタッフさんに尋ねてみました。

「聞いたことないです」? ? ?

「いちは『一』ですよね。『か』は・・・」

 

実は、私は初めて聞いた小学生?のころ「台風一家」と頭に浮かびました。

台風という反社会的勢力が、一家で殴り込みをかけてくるみたいなイメージ(笑)

大変な思い違いでした。

 

 

彼女はすぐに自分の携帯で検索。

「『過ぎる』って書くんですね」

今どきの子、すぐに調べるのは放っておくよりいいですね。

 

*  *  *

「台風一過」とは台風が過ぎ去ること、

特に台風が過ぎ去って晴天音になること及びその状況を指す言葉である。

また比喩的に騒動がおさまって落ち着いた状態となることにも用いる。

「一過」はさっと過ぎ去ることである。(weblioより)

*  *  *

漢字、たった4文字でそれほどの景色を言い表し、情景を描けるって素敵だと思いませんか。

 

おまけに自然の模様を人間の状況に置き換えてしまうなんてことを日本人はしてきたんですね。

 

騒動やバタバタから解決して静かになる、その様を自然に照らして言い当てたのは絶妙だと思います。

 

 

 

「『嵐の前の静けさ』も同じって書いてあります」

台風が来る前も気象的に同じような現象が起こるのだそうです。

それも騒動や大きな事件や変革が起きる前の平和さを表しています。

 

店にいたらお客さまが言われました。

「娘が孫を連れてきたら、もう家中ひっ散らかって大変だったわ。

帰ったらまるで『台風一過』のよう」

幸せそうな台風でした。

 

「品格の教科書」9月27日(月)発売

 

26日(日)まで無料で39ページ「サキ読み」できます。

今、限定です。ぜひ読んでみてくださいね。

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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