熱中症に老舗の味はいかが?

京都さんぽ

「水は持って歩いてるけど、コレ、持っているといいね。買ってきてよ」母はすぐに気に入りました。京都・西陣にある老舗昆布屋「五辻昆布」の「まる昆」昆布と椎茸を丸めた汐吹こんぶです。

熱中症予防に水と塩あめとかを持つものなんでしょうけど、甘いものが嫌いな母は気に入ると思いました。

 

 

五辻昆布は今は千本通に面した、今出川通を一筋上ったところにあります。  (京都では北へ行くことを『アガる』と言います)

 

この一筋北の通りが五辻通(いつつじどおり)です。歴史的な場所や名店があった約1.2kmの通りです。

 

 

大宮通から西へ歩いてみましょう。

大宮五辻には応仁の乱の山名宗全の邸跡の石碑があります。そこは西軍の本陣で「西陣」の名の由来になったといいます。

智恵光院を過ぎると北側に本隆寺さん、

南側には地鶏の水炊きで知られる鳥岩楼さんがあります。

鳥岩楼は今は親子丼で有名ですが、元は鶏の水炊きの名店です。私がお世話になっていた親戚のお婆さんと鳥岩さんのお婆さんとは大の仲良しでよく食べに連れて行ってもらいました。お茶室を思わせる凝った造りのお部屋は憧れでした。その近くには鳥岩さんのお婆さんの弟さんが始められた京都らしい一口サイズの串カツの老舗「串幸」さんもあります。

浄福寺通には、どら焼きで有名な「かま八」さんがあり、

五辻の昆布は元々この近くにありました。

 

少し西には鎌倉時代、後鳥羽上皇の院御所であった五辻殿の址があります。この御殿の名の由来で五辻通と名が付いたそうです。

 

千本通を超えると、おかめさんで知られる「千本釈迦堂」さんがあり、12月にはボケ防止を願う大根炊きで賑わいます。大根炊きにはなぜかお婆さんがほとんどで、お爺さんだってボケるのにと密かに思っていました(笑)

 

そして、北野天満宮東門で五辻通は終わります。

 

 

そんなわけで、五辻と聞くと細くて短い通りながら懐かしいです。「五辻の昆布」も学生時代から馴染みのあるお店で、手すきでおぼろ昆布を削っていらっしゃったのが思い出されます。

 

 

今も昆布しか置いてありません。

 

 

昆布の効用は言うまでもありません。

いつものも買ってきました。

 

 

ご飯にかけても、お茶漬けにしても、お酒のつまみにもよく合います。

昆布の旨み成分が口いっぱいに広がります。

夏はコレで乗り切ります。

 

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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