「洋服」と「着物」の違いは「バック」と「風呂敷」の違い 2
きもの相談
洋服と着物の考え方の違いは、例えば「バック」と「風呂敷」と同じです。
バックは袋になっているので、そこに放り込めばいいです。
それに対して風呂敷は布そのもの、物をその上に置いて包み込んで結びます。
バックが大きさを変えられないのに対して、風呂敷は自由です。
体を洋服という袋に収納するイメージですから簡単に着られます。
風呂敷の端を結んで包み込むように、着物は着方を知る必要があります。
歴史的に見ると、着物はゆるりと着ていました。
外国人が着物を買って帰るとガウンのように羽織って着る方が多いそうです。
シワも美しいドレープと考えられてきました。
戦後、洋服を日常に着るようになって、洋服の美意識に合わせた纏い方が美しいとされるようになりました。
足長で、ほっそり、シワ無しにビシッと、写真映えするように、それが美しいという価値観に変わりました。
ほっそり足長に、シワも許さないスタイリングには技術が必要です。
日常で着物を着なくなった上に、着物を着るときは人前へ出るときになってしまったために、着ることがどんどん難しくなってしまいました。
そんな時に着付けを頼ったのが美容師さん、花嫁の着付けをしていたプロだったからです。
結婚式などに出席する日には、美しく着物を着せてもらいたいと着付けをお願いするのが当たり前になりました。
しかし、お嫁さんと他の人とは違います。
お嫁さんは動かないし、食べません。見栄えがする、写真写りが良いことが最大の目的です。
それに対して、他の人は長い時間着ていますし、食べて、動きます。
紐でキツく縛られたら痛いし疲れてしまいます。
当店の着方は、母が呉服屋での毎日の暮らしの中で編み出した「動いても着崩れない」「楽な方法」です。
根本的に違うのです。
当店の着付けの始まりはこちらをご覧ください。
それは、母の嫁入りから始まった☆「山本流着つけ」誕生物語 1
九月中旬から、遠くても学べる、自分の空いた時間に何度でもお家でお稽古できる「オンライン着付け教室」を始めます。
「ただ美しく着ればいい」という着付け教室ではありません。
着物を通じて日本文化を知っていただきたいと思っています。
着物と帯の組み合わせ、作った職人さんや技術、芸術との結びつき、着物を取り巻く諸々のことも私が知る限りお伝えしたいと思います。
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