浴衣の着付けで日本を知る ☆ 夏休み学生さんの得たもの

「着れました〜〜」自分で パチ パチ パチ
「こんなに簡単に着られると思ってなかったでしょ」 大きく うん、うん と頷く
「キレイに着られたよね」 ニコニコ うん、うん もう一度
Kさんは岐阜県でも屈指の進学校の1年生で、来年ドイツへの留学が決まっているのだそうです。
勉強に忙しい時間を割いて、お祖父さんに送迎してもらって浴衣の着付けを習いにきてくださいました。
夏休みに学生さんに向けて 「” 着物で触れる ” 日本人が大切にしてきた美しさと心 ” のテーマで
「着物」を日本文化から見た衣として理解し、浴衣の着付けを覚えていただこうという講座を開催しました。
[目的]
1) 留学やホームステイなど、国際交流の際に浴衣を着ることで自信が付き、コミュニケーション作りに役立つこと、
2) 着付けの技術だけでなく、その背景にある心や価値観を知ることで、日本文化を語る際に自分の言葉で表現できるのを狙いとしています。
大陸ではいろいろな民族がせめぎ合ってその支配者や為政者によって前の文化は壊され、新しい文化が作られてきました。
それに対して、日本は単一民族で1000年以上も続いている世界でも稀な国です。
「シルクロードの東の果ての文化の吹き溜まり」とも言われています。
[衣食住の文化的特徴]
「食」では
欧米ではナイフやフォーク、スプーンなどをいっぱい使う洋食に対して、日本は箸だけで全てを食べます。
狩を主体とする肉食に対して、日本は米を中心とする草食です。それによって消化するための腸の長さも違います。
食物を得るための行動、共同生活のあり方も違います。
「住」では
椅子とテーブルに対して、日本は畳です。たくさんの人が来ても対応できます。畳の上で寝転がることもできます。布団を畳んだら寝室が居間になり、応接間にもなります。
包容力があって、使い方が自由なのです。
「衣」では
洋服と着物の違いは体に合わせて布を立体的に縫製するか、大きな平たい布を作って体を包む違いです。
こちらの記事も参考にしてください。
「洋服」と「着物」の違いは「バック」と「風呂敷」の違い 2
着物は5〜10キロ太っても、身長が5〜10センチ違っても纏い方(包み方)次第で着られます。
包容力、融通性があるのです。
[着物の変化]
戦後、日常の生活が洋服になるに従い、着物にも洋服の美意識が入ってきました。
戦前までのゆったりと包み込んできた着方はドボンとして太く見えます。
洋服の美意識では、ほっそり脚長に、若々しく見えるのが素敵だと思われるようになりました。
着物は大きな布をまとう衣文化。
まとい方で、洋服の美意識も実現できたのです。
[講座の成り立ち]
美しい着物のスタイリングがゴールです。
↓ ↓ ↓ ↓
どうすればそう見えるのか?を知る
↓ ↓ ↓ ↓
そのやり方は?
↓ ↓ ↓ ↓
の順でお話し、デモンストレーションし、実際にやってみてもらいました。
結果、
最後の5分で、あっという間に美しく着られてしまったのです。
思いがけなく、早く、美しく切られてしまったことに Kさん自身もびっくりでした。
もっと浴衣をスムーズに着られるようになりたいし、浴衣でない着物も着てみたいと思いました。帯の結び方の応用をやってみたいです。
感想を書いて下さいました。
「まさか、こんなに早く自分で着られるとは思ってなかった〜〜」
キラキラした目で頷くKさんを見て私たちも感動してしまいました。
よかったーーー!!
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