祖父の形見の椿と「宇治上神社」の側で出会った「光源氏」☆珍らしいツバキに思うこと
先週、陶器市をやっていた宇治川の中州「塔の島公園」から反対側の山は山櫻と新芽を吹いた若草色にふんわり彩られてとても素敵な風景でした。確かあのあたりの山の上に兎を祀った世界遺産の「宇治上神社」があったはず、春の柔らかな陽気に誘われて行ってみました。
登り口の手前には宇治神社があって宇治上神社と一対でお参りするんだそうです。宇治上神社は思っていたより立派な神社でした。日本で最古の神社だと娘が教えてくれました。手前に立派な寝殿造りの拝殿と後ろに素敵なカーブを描いた桧皮葺の本殿がありました。本殿の軒は後ろ側より前がせり出していてお参りする人をう優しく包み込んでいるようでした。
そこのあたりは源氏物語の宇治十帖の舞台で道の名前も「さわらび(早蕨)の道」とか「の道」とか源氏物語にちなんだはんなりした名前が付いています。
その散歩道に立派な椿を見つけました。「光源氏」という名の椿は手の平いっぱいもある大輪で名前の由来もなるほどと思わせました。華やかな桜にばかりが注目を集めますが、ツバキは「椿」木偏に春、やはり春に咲く花なんですね。
岐阜の家の庭にも祖父自慢の椿の木が一本あります。花弁が変わっていて「この椿は滅多にない木やから大切にせよ、大きくならない木やから庭師に剪定を頼む時は絶対切るなと念を押してから入ってもらえよ」と祖父が言っていました。
私が小さい頃もここにあって、ほとんど大きくなっていません。
祖父に名前を聞いたのですが忘れてしまって調べようもなく今までずっと来てしまいました。
その名前が先日、椿で有名なお寺のパンフレットから偶然わかりました。
「日光椿」と書いて「じっこうつばき」と読みます。
京都市指定の天然記念物で、京都哲学の道にある霊艦寺にある日光椿は後鳥羽上皇が寵愛された椿だそうです。
霊巌寺は非公開ですが3月21日〜4月7まで春の特別公開されました。コケに覆われた広大な回遊式庭園で赤やピンクのツバキ約200本が咲き誇流そうです。ちなみに、対になる「月光椿」(がっこうつばき)もこのお寺にあるそうです。
着物や帯にも椿の柄はよく使われます。一輪描いても凛として絵になるからでしょう。母も「この帯もう何十年も締めてるけどよく使うわ」とまだ先日藤娘きぬたやさんへ仕入れに行った時も結んでいました。
以前は当店ではあまり椿の柄は売れませんでした。
花が終わるとポトンと花だけ落ちる椿は「首が落ちる」と言って武士が嫌ったそうです。そんなことを言われたのは揖斐が城下町として栄えてきた街だったからなんでしょう。今は図案化された華やかな椿の柄は当店でも人気です。世の中の移り変わりと人の気持ちは変わるもんだと椿の花を眺めて思いました。
何か一つ欲しいものがあったら「京裳苑」へ行きましょう!
第42回 京裳苑
◾️ とき 5月31日 (金) 6月1日(土) 2日(日)
◾️ 場所 京都 みやこメッセ 1階 ( 平安神宮前 )
◾️ 入場料 無料
ご予約を頂いた方のみにご招待状をお送りします。
「京裳苑」ってどのような催し? どんな内容なの?
6月は着物のメーカーさんが秋冬物の新作を業者に向けて一斉に発表する時期です。それをいち早くお客様に直接見ていただこうと始まったのが「京裳苑(きょうしょうえん)」です。今年で42回目になる京裳苑は岐阜の着物専門店、山本呉服店が一社で主催し一流のメーカーさんたちがみやこメッセの広い広い会場に見渡す限り一堂に出品してくださる業界でも唯一の素晴らしい展示会です。
3日間の会期中はそれぞれのメーカーさんの社長さんもしくは制作責任者の方々が会場へ来て頂け、自社のこだわりや制作秘話、思いなどを直接聞けるのも楽しみです。自分の手に入れたものがどのようなものであるかを知るとかけがえのない大切な宝物になります。
42年続いているのはひとえにお客さまの支持があってこそです。結婚前に親子で京都で選んで作っていただいた思い出と変わらぬ色柄の良さで、また代が変わっても親子、孫と一緒に京裳苑で選びたいと来ていただいています。
よろしかったらご案内をお送りしますので、お申込みフォームにアドレスをお知らせください。ご案内状もありますので送って欲しいという方はメッセージの欄にご住所を書いてください。
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