木綿の着物と母☆「あきない世傳 金と銀」で思い出したこと
[あきない世傳 金と銀より]
呉服商いに携わるものにとって、絹には絹、木綿には木綿を合わせる、(表地と裏地を同じ素材にする)という決まりは侵し難い(おかしがたい)。
だが、果たしてそうだろうか。
(中略)
菊次郎の言う通り、木綿のきものに絹の裏をつければ、滑りが良いから身に添って動き易い。役者なら、しかも女形であるならなおさら、堅苦しい決まりに囚われず、たおやかで優しい動きの出来る生地を用いるべきではないか。
小さい頃から日本舞踊を習っていた私は京都の大学へ行ってからも続けていました。
長く習っていましたが、習えといった父も「ゆっこの踊りは器械体操のようや」と上達しない私に呆れていました。それでも続けさせたのは今から思えば着物を着た時の動きが自然にキレイになるよう、所作を身に付けさせたかったのと思います。
その目的さえ果たせたかどうかも疑問ですが、、、^^;
学生時代、居候していた親戚は西陣で呉服の問屋をしていました。
ある時たまたま会社でとてもステキな反物を見つけて欲しくなってしまいました。後にも先にもその時一度だけだったのですが、仕立てるために家へ持ち帰った時、母にとても叱られました。
「こんなのあなたが着る時ないでしょう」
その生地は木綿だったのです。
滑りの悪い木綿は踊りのお稽古に着れません。考えてもみませんでした。
母は滑りが良いように八掛(着物の裏)に絹をつけて仕立ててくれました。
着てみたら明らかに母がしてくれたことの意味がわかりました。滑らかに滑って動きやすかったのです
後年、自分がこの仕事に携わるようになってからその贅沢さに気付きました。
今は派手になってしまって出番はなくなりましたが、その着物は長く私のお気に入りの着物でした。
「あきない世傳 金と銀」を読んでいて思い出しました。
きっと母はそんなこと、遠に忘れているでしょうけど。
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