樹齢1500年、国の天然記念物「薄墨桜」と栃餅
「淡墨桜が満開になりました」とニュースで見た時、驚きました。淡墨桜は岐阜の家から40分の山の中、本巣郡根尾にあります。いつもは家のあたりのソメイヨシノが散った後、4月の第2週位に咲きます。今年は薄墨桜の方が先に咲いてしまいました。こんなことは初めてです。
樹齢1500年以上、日本で2番目に長寿のエドヒガン桜で国の天然記念物になっています。伝承によると西暦467年に植えられたものらしいです。信じられない長寿、写真の通りたった一本で枝を広げて咲き誇る見事な桜です。散る前に花弁が薄墨色になることからこの名前が付いています。
桜も年をとるとみすぼらしくなります。小さい頃、おばあちゃんと毎日見に行った裏の三輪神社の隣の素晴らしい桜の木も今は2回りも小さくなった感じがします。
薄墨桜も以前は大雪で幹が折れたり、伊勢湾台風による被害で枯れそうになったのを宇野千代さんが惨状を訴えたことで再生されました。
それで有名になったことから、この時期は観光バスや車がいっぱいになり大渋滞します。昼間の時間には近づけるようなものではありません。「薄墨桜って山本さんの近くですね」とよく言われましたが、迂回路もなく行く気がしなかったのです。さすがに一度は見てみないといけないと思いました。
何年か前に思い切って薄墨色になるという散り際を狙って、夕方少し早めに仕事をきりあげて行きました。帰り車と逆になるので道も混まないだろうと思ったのです。その頃はまだトンネルもできていなかったので、山道を飛ばしてみても1時間はかかりました。思った通り、車は空いていましたが着いた時はもう薄暗くなっていました。
暗くて花の色も確認できなかったので、車から懐中電灯を持って行きました。
花を照らしてみて、自分の愚かさに気付きました。懐中電灯の赤い光で照らしたら薄墨色でもピンクに見えてしまいました。せっかく1時間もかけて走ってきたのに・・・
薄墨桜を見ると未だにその失敗を思い出して一人で苦笑します。
薄墨桜の楽しみは「栃餅」です。
栃餅は岐阜県の郷土食で胡桃に似た栃の実を灰汁抜きし、蒸したもち米とついて餡を包みます。
栃の実はアクが非常に強く、悪を抜かずに食べてみたことがありますが口の中がピリピリして苦くて食べられたものではありません。灰汁抜きにはきれいな水と温度管理、長年の経験によるタイミングで2ヶ月余りの時間と手間がかかります。
ほろ苦いお餅と甘い餡のバランスがとても美味しいのです。他では手に入らず、売店では昼前には売り切れてしまいます。お客様なので先に特別にお願いしておきます。毎年、役得を満喫しています^^
でも今年はコロナの影響で自粛要請があり、作るのを止められたそうです。昼間の時間でもスイスイと行けて駐車場も7割余りでツイてると思ったのですが・・・
やはり楽しみは「花より団子」です。
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