京都町家暮らしの光影

日本文化であそぼ

「新緑の頃にまた来ておくれやす」京都の禅寺にある国宝のお茶室を案内してくださった奥様が言われました。新緑が香る今、あのお寺のお茶室へ行ってみたいと思い出すのです。

 

3月下旬からもう1ヶ月半、岐阜、揖斐の家にこもっています。芽吹いた木々の緑も新緑から濃さを増し、確実に季節が移り変わっているのを感じます。

 

揖斐は江戸時代に栄えた城下町で、京都の町屋と同じような「鰻の寝床」です。

表は商店街で間口は狭いのですが、裏は三輪神社まで80メートル以上あります。家の真ん中には川が流れていいて、もう少し季節が進むと家の中庭で蛍が飛びます。裏の座敷は昼間でも薄暗くて夏は涼しいのですが、冬の冷え込み方は半端ないです。

 

 

季節を感じ、情緒豊かな家なのですが、中庭の横にあるトイレに行くだけでも雪が降りこみます。家の中であってもまるで外に暮らしているようです。小さい頃からきちんと四角い家に憧れていました。明るくて暖かい家に住みたいというのは念願でした。

 

 

「京都でお客様をお迎えするならやはり町家でしょう」底冷えの京都で暮らすのに、また町家を選んでしまった事を少し後悔していました。生涯を通して私は町家にしか住めないんだと暗くなったことも(笑)

 

でも、なぜかとても落ち着くんです。この精神的な落ち着きはマンションでは得られないものかもしれません。

 

 

 

もし日本座敷を一つの墨絵に喩えるなら、障子は墨色の最も淡い部分であり、床の間は最も濃い部分である。私は、数寄を凝らした日本座敷の床の間を見る毎に、いかに日本人が陰翳の秘密を理解し、光りと蔭との使い分けに巧妙であるかに感嘆する。(谷崎潤一郎:陰翳礼讃より)

 

 

禅寺の奥様が言われました。

「新緑の頃はお茶室の障子は風で緑が揺れ、紅葉の頃は真っ赤に染まります」朝日や夕日によっても色が変わるそうです。季節や時間を障子の向こうに感じながらお茶を点てるってなんて素敵なんだろうと思いました。

 

 

きっと町家もそれと同じです。

多少の不便や住みにくさがあっても、自然を五感で感じながら毎日を過ごすのは一番の贅沢なのかもしれません。

 

小さい頃から「当たり前」にあったものの豊かさにようやく気付けたのでしょう。

いつかまた、あの禅寺のお茶室を訪れてみたいと思っています。

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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