「お箸」からのメッセージ2☆「品格の教科書」P100箸の使い方は「思いやり」の検定試験です
「あれっ、このお箸・・・濡れてる?」しっとりしてる!
「唐津」さんで出された利休箸が湿らせてあったのです。
「あれっ」て気がつく感性、そして「なぜ?」って考えるクセって大切ですよね。
改めて指摘してくださって良かったと思いました。
利休箸は両端が削られている箸です。
千利休が客を招く朝に自ら杉材の箸の両端を細く削り出して、その香りでもてなしとしたと伝えられています。
茶道での食事や、高級な料亭などで使われています。
唐津さんがにっこり笑って話されました。
お茶席などでよくやるのですが、箸の先を濡らすと、ご飯粒がつきにくくなります。
細かいものを滑らずに取りやすくもなります、
生臭い匂いや、醤油などの濃い色が箸先につきにくくなるのであらかじめ濡らしておくのです。
似たような行為と思われていますが、
食べ始める前にお箸をお茶や汁物につける、
カレーライスなどを食べる時にもご飯が箸やスプーンにくっつかないように、コップの水に浸してから食べる、
これはマナー違反です。みっともないのでやめましょう。
ところで、2年続きで吉野へ修験道体験に行きました。
その時のお話はこちらです。
奈良、吉野の修験体験1
奈良、吉野の修験体験2☆奥千本への道
初めての沐浴(滝行)体験☆奈良、吉野修験体験5
吉野といえば桜が有名です。
吉野の桜は約1300年前、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が山桜の木にご本尊蔵王権現(ざおうごんげん)を刻んだことから、御神木として崇められました。
祈りを込めて植えられ、その数 現在約3万本といわれています。
そこに住む人々が代々、桜を植え、手入れをして大切に守ってきました。
山全体が庭のように綺麗に整備されているのには驚きました。
同じように大切に育てられてきたのが「吉野杉」です。
室町時代から植えられ、大阪城や伏見城の建築にも使われた高級な材木です。
吉野の山の麓には今も大きな製材屋さんが何軒もあります。
割り箸は南北朝時代に吉野の杉を削った箸を後醍醐天皇に献上したのが始まりと言われています。
割り箸の名前は、ナタで木を割って作ったところからきています。
現在では吉野の杉や桧はその大半が建築材として使われますが、
今も間伐材や端材を利用して箸が作られています。
吉野のわりばしは、防腐剤等を使用せず杉や桧の天然の素材をそのまま使用しています。
杉や桧にはそれ自体に抗菌作用があるため安全で、握った感覚も良いです。
とても軽くて持った感覚が良いので「持って帰ってもいいですか?」とお聞きして持ち帰ります。
このまま帰れば捨てられてしまうのがもったいなくてお願いしてみます。
すると「では、新しいのをご用意しますね」と新しいお箸をくださるお店があります。
私は反対に恐縮しながら「ちょっと意味が違うんだけど」と心の中で小さく呟くのです。
「品格の教科書」は全国の書店さん、
またはアマゾンで手に入ります。
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