NHK朝の連ドラ「ばけばけ」 半衿が広く見せている理由

きものや日記

NHK朝の連ドラ「ばけばけ」

舞台は明治の松江、明治の始め、小泉セツ&八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻がモデルです。

着物を担当するのは昨年の京裳苑にも出品していただいた当店も取引があるメーカーさんです。テーマ音楽が流れる時、セツが着ているピンクの着物は無地に見えますが、江戸小紋です。

「ばけばけ」では出演者がほぼ着物なので、お話とともに着物や着方を楽しみに見ています。

 

 

着物の着方が違うことに気づいた方も多いのではないかと思います。

ドラマでは片山で半衿をかなり見せ、さらに帯のすぐ上まで半襟をゆったりと見せています。

 

それは 大きく髷(まげ)を結って頭が大きかったからです。

松江藩の上級武士、雨清水タエ(北川景子さん)は大きな柄の豪華な小紋を着てもっと大きく半衿を見せています。

髷を結った頭、お引きずりの裾には綿をふっくら入っていてボリュームがあります。そこで帯幅も広く、帯締も丸ぐけ(綿の入ってふっくら太い)をしています。半衿もさらに大きく出しています。

 

髷を結って裾を引く着姿には半襟をたくさん出しています。

 

半衿をたくさん見せたのは全体の着姿のバランスだったのです。

 

 

半衿は髪や皮脂から守るために襟元に掛けるようになったとされています。

衿をたくさん見せた明治時代は半襟の全盛期でした。

自己主張できる和服のポイントだったのでしょう。

その頃は半襟だけ売っていても店が成り立ったのです。現在、呉服屋でも 店名に「襟」が付いている店はこの頃創業したお店が多いです。

 

 

今、当店の着付教室「装華塾」では 片山では半衿をあまり見せません。

白無地なら襟を見せるのは2センチほど。

シャープなラインにすることにより、キリッと知的な印象を与えます。

髪型が圧倒的に明治時代とは違います。

また、真っ白な半衿は光が反射しすぎて黄色人種である私たちの肌を却ってくすんで見せてしまうので、あまり沢山出さないようにお伝えしています。

 

 

 

着物を楽しむアイテムとして、明治時代のように色柄、刺繍などの半衿を楽しむのもオシャレですね。そんな半衿を少し多めに魅せてみるのも楽しいです。

因みに私は白の半衿はほぼしません。白は汚れが目立ちやすく、毎日着ている私には大変です。

それより、例えばお月見には 月ときらきらのラインストーンがついた半衿とか、ハロウインにはコウモリの刺繍とか、少々テーマを設けたりしてコーディネートを楽しんでいます。

 

 

着方もコーディネートも全体のバランスです。

話の展開を楽しみながら、着物や着付けにも目を向けて見たいと思っています。

 

 

 

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山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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