「紺屋の白袴」の意味は「医者の不養生」だけではなかった☆NKK大河ドラマ「青天を衝け」渋沢栄一
「藍家」は藍染を主とした染屋で「紺屋」とも呼ばれていました。
「紺屋の白袴」ということわざがありますが、「医者の不養生」と同意義で、他人のことにばかり忙しく自分自身のことに手をかける暇がないということを言います。
でも一説によると、紺屋は仕事中に染める液を自分の白袴には一滴もつけないという、職人の誇りを表しているともいわれています。
藍染は すくも(藍を発酵させて作った団子状のもの)と発酵の栄養となるフスマや、灰汁、酒などともに甕に入れられます。
藍染は「藍のご機嫌を伺う」というほど染め液を「立てる」のが難しく職人の腕次第と言われます。
こうして1週間ほど発酵させ、この液のなかで布を染めては空気にさらし何度も何度も繰り返し染めます。その回数によって藍の色の深みが変わります。
まず、藍染をするのは天然繊維しかできません。綿、麻、絹です。合繊は染まりません。
甕の染め液はドボドボの濃い藍色ですが糸を入れても始めは薄い汚いグリーン色です。
「こんなので藍色になるのかな〜」と不安になるほどです。
何回も甕の中で糸を回して手繰ってはつけていくうちに色が濃くなってきます。
それでも藍色にはなりません。
空気にさらして参加させることによってだんだんブルーの色が濃くなっていきます。
その間、藍甕の中の染め液も疲れてくるので、休ませてあげて他の甕を使うとか、
結構、藍のご機嫌を伺いながらお付き合いするのが大変です。
こうして数日かけて染め上げます。
江戸時代から続く日本独自の藍染めの技法です。
その染め具合によって藍色と言っても大和色には48色もの色の表現があるほど多彩です。
縹色(はなだいろ)という表現がたくさんあります。薄縹、
私も何度か藍染体験をやってみました。
素人がやるとムラに染まることも多いです。私も何度もムラになりました。自分のものであれば「味」「世界に一つだけ」と片付けられますが、職人さんはそうは言って入られません。
熟練した職人さんの凄さを思い知らされます。
「藍は生きている」と言われます。
染めてから数年は赤みを帯びて、落ち着くには五年ほどかかります。十年くらいすると繊維の奥に入り込んで深みのある藍色が定着し、どんどん鞘かになります。
最近、浴衣を家で洗う方は少ないと思いますが、絞りの浴衣はクリーニングに出すとプレスされて伸びてしまう場合があるので、家で洗っていただくようにお勧めしています。
洗濯すると初めのうちは色落ちするので、他のものとは一緒に洗わないようにします。
この場合も他のものに色が移るため、別々に洗います。
19世紀にドイツで化学染料のインジゴが工場で生産されるようになり、アメリカでもジーンスの染めに大量に使われるようになりました。着古したり、洗濯して色落ちする欠点までもがもてはやされました。
これによって天然の藍染は全世界でほぼ壊滅したのです。
現在では阿波藍の製法が無形文化財の指定で保護されています。
続く
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