絞りも帯締めも「一人、一手」一つの技術を極める職人さんの世界

きもの豆知識

私が締めているこの帯締めはとても変わった組み方です。

両端が割れていて真ん中は裏表がくっついています。

両端が開くように組んであります。

 

初めて見たときは「こんなこと出来るの?」と衝撃的でした!

グッと締めると本当に良く締まる優れものです。

 

この組み方をする人は最初からこれ一つを覚え、他の組み方はしませんし、できません。

 

何十人の組紐職人さんを抱える親方でさえ、この組み方はできないと言います。

 

 

4月初め、藤娘きぬたやさんが一年に一回発表される新作を一堂に発表会を見に行きました。

ほんとうに素晴らしい作品の数々!

 

「絞り」といっても、絞り方はたくさんあります。

 

大きくふっくらとした絞りは「帽子絞り」

いわゆる一般的に絞りと言われる丸く絞ったのは「鹿の子絞り」「疋田絞り」があります。

左が「疋田絞り」右の大きな絞りが「帽子絞り」です。疋田絞りは斜めに綺麗に並んでいます。一粒一粒が頭の先まできっちり絞ってあります。

 

上の疋田絞りと比べると、明らかに絞りの目が大きく大きさも並び方も違いますね。

 

同じように丸く絞っても、細かいものは「一目絞り」と言われる絞りです。

線を表現するときにこの技法を使います。

松の輪郭などを線で表しているのが「一目絞り」です。

 

これらは全く違う技術であり、職人さんは別の人が手がけます。

 

ということは、職人さんは例えば「一目絞り」だけを一生やり続けるのです。

 

 

職人さんは一つの技術だけをやり続けることによって、とことんその技を磨いていくのです。

 

そう思ってみると、一枚の着物一本の帯もたくさんの職人さんの生涯をかけた技術の賜物です。

職人さんの気持ちが込められて完成された作品なのです。

そんなことを知るとますます、着物や帯が愛おしくなります。

 

 

 

第45回 京裳苑

 

■ とき   6月4日(土)5日(日)6日(月)

■ 場所   京都・平安神宮前 みやこメッセ

■ 主催   (株)山本呉服店

 

*山本呉服店のお客様、特別ご招待の方のみとなります。

見てみたいと思われる方はお問合わせからメッセージを入れてください。

 

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「品格の教科書」は全国の書店さん、

またはアマゾンで手に入ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横目絞り、綿糸できっちり4回巻いていきます。

気が遠くなるような仕事です。

 

 

山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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