着物の衣替え「袷から単へ」は温暖化でどんどん早くなっています☆「品格の教科書」P110美味しいだけではない「旬の作法」をお教えしましょう

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「30度もあったらもう合わせじゃなくて単だよね〜」

先日、社員もいっしょに京都へ行きました。

6月4(土)5(日)6(月)に京都での新作発表会「京裳苑」の打ち合わせです。

 

 

あまりにも暑くてみんなが単を着ていくと言いました。

まだ4月中旬だと言うのにです。

 

 

もともと衣替えは6月の初めでした。

温暖化に伴ってこの頃はゴールデンウィークにはもう単に替えます。

 

今日は岐阜で着付け教室があります。何を着ようかな。最後に袷(裏がついた着物)を着ようと思って新緑にふさわしく若葉色の小紋の着物をきました。

 

着物は着るその都度クリーニングに出す必要はありません。

 

着た後にたたみながら点検して、汚れていなければ干してタンスにしまって大丈夫です。

 

せいぜいシーズンごとに出せばいいのです。

 

 

「ひとえ、大好き!」

今日の着付け教室に単を持ってこられた方がありました。

 

 

白大島を裏なしでひとえに仕立てられました。最高です!

 

可愛らしい絣でしょ!

単にすると裏もよく見えるので、織物だとオシャレですね。

 

袖の裏も付いていません。

 

裾も軽やかに裏なしです。

 

「ひとえまで暑い時期に着ないわ」と言われる方もありますが、

これほど温暖化が進むと単の時期がどんどん長くなっています。

暑がりの方こそ、単をお勧めしたいと思っています。

 

本当に軽くて着やすい! 私も大好きです。

 

 

食べ物には「旬」があります。

 

「若竹煮」は京都の料亭では2月から出される定番料理です。頭を出す前に掘り出す筍は甘くて柔らかくて香り豊かです。

 

筍は春が旬です。

竹やぶでむっくり芽を出すと、あっという間に伸びて2週間後には皮も落ちて立派な若竹に早変わりします。

あっという間に大きくなるので、一晩ぐっすり寝た後、朝堀りするに限ります。

 

 

筍は「竹かんむり」に「旬」と書きます。

「旬」という漢字は「じゅん」とも読んで、10日のことを言いました。

 

月の上旬とか中旬とか下旬とかいう「旬」です。

 

 

食べ物の「旬」には3つあります。

まだ旬ではないけれど出始めの「走り」、

盛んに収穫される「出盛り」、

来年までお預けとなる終わりの「名残」があります。

 

 

「走り」は季節の先取りする意味で、珍しさが何よりのおもてなしです。

 

初物をお送りする際には、ほんの少しだけ差し上げるのが昔からの作法でした。

初物は新しい季節の到来をひとくち味わうことに価値があります。

 

 

 

 

着物にそれを当てはめると今は名残の袷かもしれませんね。

 

 

明日17日(日)21時から、日本の伝統食「麹」の料理研究家として有名な大瀬裕子さんと日本文化の素晴らしさについて「衣」と「食」の観点から語り合います。

 

食に旬があるように着る物にも季節があり、衣替えがあります。

そしてそれには必ず意味があります。

 

 

日本文化の本質に迫りたいと思っています。

その奥深さ、素晴らしさを知っていただけたら幸いです。

 

 

「品格の教科書」は全国の書店さん、

またはアマゾンで手に入ります。

 

 

 

 

 

 

山本由紀子

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明治創業、岐阜の山本呉服店に生まれ着物に囲まれて育つ。大学時代を京都の親戚で過ごし金沢の呉服屋さんで勤め山本呉服店入社、代表取締役。雑誌商業界などで「売らず...

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