「のし紙」って何? 「内のし」「外のし」ってどう言うこと?☆「品格の教科書」に載らなかった話
「『内のし』『外のし』どちらにしますか?」と聞かれた経験は誰もがあると思います。
その意味、わかりますか?
日本の贈答の形は美しく包むだけのラッピングとは違います。
全てに歴史的な意味があります。
もともと、神様にお供えしたところから始まっています。
「御礼」「内祝」「寸志」とか真ん中に書いて伝えることもできますが、
そのほかにのし紙で気持ちを表せます。
なぜ「のし紙」と言うののでしょう?
それは「熨斗(のし)」が付いているからです。
今は印刷になってしまっていますが、真ん中の黄色いものが「のしアワビ」と言って元々はアワビを薄く伸ばして干したもので、神様へのお供え物でした。改まった気持ちで差し上げるという意味が込められています。
真ん中には水引が印刷されています。
水引には、おおよそ三つの意味が込められています。
1)開封されていない「未開封」という意味、
2)魔除け、
3)人と人を結びつける
水引の色で紅白はお祝い、白黒や白黄は仏事と使い分けます。
白黒は主に関東、白黄は関西と言われています。
さらに水引の結び方も大きく分けて2種類あります。
もう2度と起きてほしくないこと、お葬式や結婚式には「結び切り」と言って結び直せない形を表します。
何度あってもいいことには「蝶結び」を使います。何度でも結び直せます。
さらに
「内のし」包装紙の中にかけて見えないようにするのと「外のし」表から見えるように包装紙の上からかけるやり方があります。
「外のしは」名前を披露するときのみです。
結婚した挨拶や出産した子供の名前を知らせたいとき、神様にお酒を奉納するときくらいだけです。
大抵の場合には控えめな表現の「内のし」でいいです。
私が幼い頃、結婚式の後には挨拶に「名披露の風呂敷を配る」と言う習慣がありました。
お嫁さんの名前をのし紙に書いて、表に見えるように風呂敷の箱にかけます。
それは結構、私のお手伝いの仕事でした。
のし紙は箱の端に挟み込んで「かける」もので、箱の裏にセロテープで貼ったりしようものなら、こっぴどく叱られました。
風呂敷には「優しく包んでください」と言う意味が込められています。
親戚やご近所に「これからよろしくお願いします」と言う意味でした。
もらった方も名前や文字をいちいち聞かなくてもよくて、いい風習だと思いました。
(今なら個人情報の流出になるのでしょうか?)
のし紙は、いちいち言葉で言わなくても気持ちが通じる仕組みなのです。
「なぜそうなのか」って知れば、興味深いですね。
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